平安時代、日本仏教の源となった二人の偉大な仏教者が現われました。伝教大師最澄と弘法大師空海です。そのなか空海は、遠く長安まで求法の旅を敢行し、インド伝来の密教を修得して、これを日本に持ち帰り、東寺や高野山に拠ってその教えをひろめました。真言密教の特質として、曼荼羅の思想や即身成仏の思想などがあります。さらに空海は、詩文に秀で、書は超一級のものでした。そうした空海の人と思想について、主に空海自身の著作を踏まえ、解説します。ちなみに、今年(令和六年)は、空海生誕一二五〇周年の年に当たります。(講師記) ★2024年10月開講。半年間で学びます。 <各回カリキュラム> 1 空海の生涯 特に長安往還の旅について 2 最澄と空海の真実 出会いと別離の経緯 3 十住心の思想体系 仏教全体の見取り図 4 真言密教の特質 空海の独特な言語観 5 曼荼羅思想の理路 人間存在の原構造 6 空海の書論を探る 古意追究への専心
竹村 牧男:1948年東京生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。文化庁宗務課専門職員、三重大学助教授、筑波大学教授を経て、現在東洋大学名誉教授。著書:『唯識の探求』『唯識三性説の研究』『華厳とは何か』(春秋社)、『仏教は本当に意味があるのか』『般若心経を読みとく』『西田幾多郎と鈴木大拙』(大東出版社)、『親鸞と一遍』(法蔵館)、『禅と唯識』(大法輪閣)、『入門 哲学としての仏教』(講談社現代新書)他多数。
★Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。 ★2024年10月期開講。半年・全6回で学びます。