仏教は、教えや布教にまつわる多くの説話によって彩られています。とりわけ開祖釈尊の生涯は超人化と美化に満ち、それは事実とはかけ離れたものながら、仏教徒が永きにわたって紡ぎ出した敬虔な宗教心の結晶、信仰のなかに生きる伝記です。本講座ではさまざまに伝えられる釈尊の生涯を、仏伝文学を繙きつつ、画像によってインドのゆかりの聖跡や遺物に訪ねます。この巡礼を通して、師を思慕し、賛仰し続けた仏教徒のひたむきな思いに心うたれるとともに、その後半生をひたすら布教と伝導に過ごした人間釈尊の姿が、あらためて間近に感じられることでしょう。その1の今回は釈尊の誕生から成道、初転法輪に至る前半生をたどります。(講師・記) 〈各回予定〉 10/2(水) 仏伝が語る釈尊の生涯と聖地 11/20(水) 出家・遊行遍歴 10/16(水) 釈迦族と都城カピラヴァストゥ 12/4(水) 降魔成道の地ブッダガヤー 11/6(水) 誕生の地ルンビニー 12/18(水) 初転法輪の地サールナート
安田 治樹:立正大学名誉教授 1949年生まれ。成城大学大学院文学研究科美学美術史専攻博士課程修了。財団法人根津美術館学芸部学芸課長を経て、2008年、立正大学仏教学部教授に転ず。同大学法華経文化研究所所長、文学博士。2014年に立正大学ウズベキスタン学術調査隊を組織、同隊長。
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