本講座は、鎌倉幕府が編纂した『吾妻鏡』を読みながら、鎌倉幕府の歴史を探ろうとするものです。『吾妻鏡』は、初代鎌倉殿の源頼朝から6代宗尊親王まで、将軍ごとに幕府の出来事をまとめた年代記で、14世紀初頭までに成立したと推定されています。幕府に保管されていた記録・文書類をはじめ、京都の貴族の日記や寺社の記録、『平家物語』などの軍記物も編纂材料にしており、虚構も含まれていますが、鎌倉時代の政治や社会を知るうえで欠くことのできない重要史料です。 この『吾妻鏡』の記事を中心に、他の一次史料も適宜参照しながら史実を見極め、鎌倉幕府の歴史を考察していきたいと思います。(講師・記) *2024年4月開講 【10月期のカリキュラム】 1.生田の森・一の谷合戦の実像 2.和平交渉の打切りと守護(惣追捕使)の設置 3.頼朝による御家人統制の展開 4.元暦元年の伊勢・伊賀平氏の乱 5.源義経の屋島出陣 6.壇ノ浦合戦と平家滅亡
川合 康:かわい・やすし 大阪大学名誉教授 1958年三重県生まれ。神戸大学大学院博士課程単位修得退学。博士(文学)。日本中世史専攻。東京都立大学人文学部助教授、日本大学経済学部教授を経て、2023年3月まで大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『源平合戦の虚像を剥ぐ』(講談社、1996年)、『鎌倉幕府成立史の研究』(校倉書房、2004年)、『源平の内乱と公武政権』(吉川弘文館、2009年)、『院政期武士社会と鎌倉幕府』(吉川弘文館、2019年)、『源頼朝』(ミネルヴァ書房、2021年)など。
筆記用具
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