本講座では、アメリカを舞台とする名作映画を一期ごとに一本見て、そこからアメリカの歴史と文化を今日の視点から掘り下げていくことを目的としています。映画のバックグラウンドにあるアメリカの歴史観、世界観、宗教観、価値観、人々の生活様式などを、その時代の流れの中で追っていければと思っています。 ★★★ 今期取り上げる映画:『キラーズ・オヴ・ザ・フラワームーン』、2023年のアメリカ映画。監督はマーティン・スコセッシ。主演は、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デニーロ、リリー・グラッドストーン。1920年代にオクラホマ州のオセージ族(先住民)の土地で原油が吹き出し、受益権で巨大な富を得た先住民の間で連続怪死事件が起こる。映画は先住民掃討のアメリカ史の恥部を暴きつつ、スコセッシ監督のアメリカ人としての懺悔を表明する作品となった。講座では、映画の背後にある複雑な歴史的背景を見る。(講師・記)。
前田 絢子:フェリス女学院大学名誉教授 東京生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。早稲田大学文学研究科博士課程修了。現代アメリカ文学・文化を専攻し、特にアメリカ南部研究に関わる。フェリス女学院大学教授を経て、現職。エルヴィス・プレスリーの研究家として知られ、1998年にミシシッピ大学で開催されたエルヴィス・プレスリー世界会議にはゲスト・スピーカーとして招かれて講演を行う。エルヴィス関係の著書やCDライナーノーツなど多数。著書に『エルヴィス雑学ノート』(ダイヤモンド社)、『ミステリー・トレインで行くスカーレットの故郷』(フェリス・ブックス)、『エルヴィス、最後のアメリカン・ヒーロー』(角川選書)、訳書に『エルヴィスが社会を動かした』(マイケル・T・バートランド、青土社)など。
・当日、プリント資料を配布いたします。 ・筆記用具をお持ちください。
この講座の受講料には音楽使用料が含まれています。