本講座は、西洋の歴史と文化をじっくりと味わうことを目的としています。今期は全4 回で「世紀末芸術」を扱います。 19世紀のヨーロッパは、前世紀末のフランス革命から続く動乱の余波のなかにあり、そこからさまざまな思想や芸術が生まれていきました。美術界では、いずれも市民革命を発生要因とする新古典主義とロマン主義が本流をなしていましたが、そこから社会構造の変化にあわせてレアリスムやバルビゾン派などの諸派が誕生し、それらを母体として印象派が登場します。そしてそうした社会と芸術の動きと連動しながらも、外観は大きく異なる新たな思潮が各国で同時多発的に発生し始めます。「世紀末芸術」はその総称です。 本講座では、それらの新思潮の背景となった社会構造の変化もとりあげつつ、19世紀中葉から世紀末にかけての美術の諸相を詳しく、そして楽しく見ていきましょう。(講師・記) 各回のテーマ(進度や順序は変更になる可能性があります) 第1回: ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ運動 第2回: ラファエル前派 第3回: アール・ヌーヴォーの工芸家たち 第4回: 世紀末の諸相 ※本講座は、「じっくり味わう西洋の美術と歴史」シリーズの新編で、同シリーズ「印象派の発展」の続きです。継続して受講される方はもちろん、本講座からあらたに受講される方にも楽しんでいただける内容です。
池上 英洋:いけがみ・ひでひろ 美術史家、東京造形大学教授。1967年、広島生まれ。東京芸術大学卒業・同大学院修了。専門はイタリアを中心とする西洋美術史・文化史。著書に、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(小学館)、『イタリア 24の都市の物語』(光文社)、『神のごときミケランジェロ』(新潮社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチ 生涯と芸術のすべて』(第四回フォスコ・マライーニ賞受賞)、『死と復活』『西洋美術史入門』(いずれも筑摩書房)、『錬金術の歴史』『イタリア・ルネサンス』(いずれも創元社)など。美術評論家連盟会員、日本文藝家協会会員。
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