20世紀初頭、アインシュタインは、あらゆる場所に別々の時間が存在するという一般相対論を提唱しましたが、近年、宇宙全体に関わる観測データが集まったことで、相対論に基づく宇宙論が急速に進展しています。時間の流れを生むきっかけがビッグバンの特殊性にあること、エントロピー増大則に反するかのような生物進化が可能な理由など、世界の根幹に関わる謎が次々と解き明かされつつあります。また、SFのガジェットにすぎなかったタイムマシンやパラレルワールドについても、科学者たちが真剣に議論しています。この講座では、現代科学が明らかにした時間の正体について、6月刊行の拙著『「時間」はなぜ存在するのか』を元に、SFを引用しながら文系の人も楽しめるような解説を心がけます。(講師:記) 【今期の予定】 第3回:いきものの時間、人間の時間(生物はどんな時間を生きるのか) 第4回:時間の終わり、そして…(SF的想像力による時間像の拡張) 【全体の予定】 第1回:「流れる時間」という錯覚の起源(エントロピー増大の法則) 第2回:循環する時間、分岐する時間(タイムマシンとパラレルワールド) 第3回:いきものの時間、人間の時間(生物はどんな時間を生きるのか) 第4回:時間の終わり、そして…(SF的想像力による時間像の拡張) 【質疑応答】 毎回、講義の終わり10〜15分程度、質疑応答の時間を設けます。 時間の都合上すべてのご質問にはお答えできない可能性もございます。予めご了承ください。 【参考図書】 [『「時間」はなぜ存在するのか 最新科学から迫る宇宙・時空の謎』](https://www.sbcr.jp/product/4815622169/)SB新書、 2024年6月刊、吉田伸夫 (著)
吉田 伸夫:よしだ・のぶお 1956年生まれ。東京大学で理学博士を取得。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている。 著書に、『人類はどれほど奇跡なのか』(技術評論社)をはじめ、『宇宙に「終わり」はあるのか』『時間はどこから来て、なぜ流れるのか?』『宇宙を統べる方程式』(講談社)、『光の場、電子の海』(新潮社)、『量子で読み解く生命・宇宙・時間』(幻冬舎)など多数。
Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。