いよいよ24年大統領選挙の投票日が迫ってきました。この選挙の諸問題を考察するためにまず、学生の反戦運動が盛んだった68年、本来優位なはずの現職が敗退した80年と92年、選挙結果確定の危ぶまれた2000年の各選挙の歴史を振り返ります。そして、投票日の後には内乱(新たな南北戦争)の可能性も検討します。話題の本『アメリカは内戦に向かうのか』でバーバラ・ウォルター教授は、米国の現状が「アノクラシー(部分民主主義)」にあると警告しており、それは「デモクラシー(民主主義)」と「オートクラシー(専制主義)」の中間状態を意味します。民主主義での常識破りが熱狂的に歓迎され、暴力も辞さずとの価値観が広がっています。本講座では、現代社会の大きな変化を受けて連邦国家体制のアメリカにおいて、大統領選挙がアノクラシーの混迷を深めるのか、デモクラシーの衰退を押し止める道があるのか検討します。(講師:記) <今期の予定> V. 2024年選挙の歴史的文脈 第14回 反戦運動による分断と選挙:1968年選挙 第15回 現職大統領の敗北:1980年と92年選挙 第16回 問われる選挙の正統性:2000年選挙 第17回 内乱(新たな南北戦争)の可能性:2024年選挙 第18回 アノクラシーのアメリカ:トランプ的なものの歓迎 第19回 アノクラシーへの道:政治暴力と権威主義 <今後の予定> W.ディキシー・南部文化の復権と人種アイデンティティ 第20回 孤立主義の根強さ:1920年選挙 第21回 ニューディール連合のディキシー包摂:36年ランドスライド 第22回 ディキシー候補ウォレスの衝撃:68年選挙 第23回 リベラルの混迷と南部戦略:72年ランドスライド 第24回 ディキシーの復権:84年ランドスライド 第25回 Z世代、未来の選択:2024年選挙再考 ※2024年4月開講 ※途中受講可 ※今後の予定は、大統領選挙の動向により変更の可能性がございます。予めご了承ください。
金井 光太朗:1953年生まれ。東京外国語大学名誉教授。専攻はアメリカ政治史。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退、米国ブラウン大学留学。著作『アメリカにおける公共性・革命・国家』(木鐸社)、『アメリカのアイデンティティとナショナリズム』(共著、彩流社)『近代アメリカの公共圏と市民』(共著、東京大学出版会)など。訳書ゴードン・ウッド『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』(共訳、慶應義塾大学出版会)、コリン・ウッダード『11の国のアメリカ史』(共訳、岩波書店)。
・筆記用具 ・レジュメ(オンライン受講者用)のアップロードは、講座当日の朝になります。
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