ながらく「ペルシア」と呼ばれたイランは、ユネスコの世界遺産がたくさんある国です。特に、文化遺産は25件を数えます(2024年6月現在)。これは世界第10位にランクインし、日本よりも多い登録件数となっています。 最も古い文化遺産は、紀元前3200年ごろの青銅器時代の都市遺跡で、最も新しいものは1938年に完成した縦断鉄道です。このあいだには、古代帝国の宮殿や王墓、三言語の磨崖碑文、中世の城砦都市、世界で最も高いレンガづくりの塔、バーザール(市場)、モスクや聖者廟、17世紀に「世界の半分」と呼ばれた都などがあり、ペルシアの5000年の歴史が世界遺産に凝縮されているといってもよいでしょう。本講座では、世界遺産をめぐりながら、ペルシアの歴史をひもときます。 今期は、「世界の半分」と呼ばれ、ペルシア文化の粋を集めたイスファハーンを3回にわたって紹介します。アルメニア人やユダヤ教徒が暮らし、裕福なインド人やヨーロッパの商人や宣教師たちが訪れた17世紀のペルシアの都へ、ともに旅をしてみませんか?(講師・記) 【各回テーマ】 1 「イスファハーンは世界の半分」 〜華麗なるペルシアの都〜 2 人もモノもすべてはイスファハーンへ 3 イスファハーン百景 〜「王の広場」から路地裏まで〜 *今後は、近代のペルシアの世界遺産のほか、ペルシアの影響が大きかった近隣諸国や、ペルシアと関係の深い世界遺産を取り上げる予定です(ウズベキスタン、インド、ペルシア式庭園など)。 ※テーマは予定です。変更になる場合がございますので予めご了承ください。 ★11月は第1週となります、ご了承ください。
守川 知子:(もりかわ・ともこ)東京大学大学院人文社会系研究科准教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(文学)、イラン史、西アジア社会史。特に、社会史や文化史を専門とし、イラクのシーア派諸聖地への巡礼や、海や陸のシルクロードを通じた文化交流、アルメニア人などの宗教マイノリティを主たる研究対象としている。主著に、『シーア派聖地参詣の研究』(京都大学学術出版会、2007年)、編著に『移動と交流の近世アジア史』(北海道大学出版会、2016年)、『都市からひもとく西アジア――歴史・社会・文化』(勉誠出版、2021年)などがある。
※11月は第1週です、ご注意ください。 Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。