パリやウィーンを訪れたら、誰もが一度は訪れる「カフェ」。コーヒーを飲む、お菓子や軽い食事をするという目的だけではなく、カフェはその街の空気が感じられる場所でもあります。パリもウィーンもカフェ文化が根付いている街ですが、二つの都市のカフェが歩んできた道は全くといっていいほど異なります。 パリは政治的な集まりの場所として誕生し、後にオーベルニュ地方の人々が今日のカフェの土台を築きます。一方、ウィーンはコーヒーというエキゾティックな飲み物と出会う場から始まり、お菓子店を併設する店が増えて市民の憩いの場となりました。パリとウィーンのカフェの発達史を比べると、それぞれのコーヒーとお菓子の関係の違いも見えてきます。 最近は世界的にチェーン展開しているカフェが増えており、老舗のカフェも経営上の都合で新しい展開をせざるを得なくなって店の個性は変わってきてはいますが、カフェの歴史の違いを辿りながら、パリとウィーンのコーヒータイムを比較してみましょう。(講師・記) 【広報画像】 @ウィーンのカフェ(イメージ画像) Aパリのカフェ(イメージ画像)
三浦 裕子:(みうら・ゆうこ)菓子研究者、お菓子教室Sweets& Table主宰。洋菓子を作り、味わうだけではなく、その歴史的、文化的な背景を考えることを大切に活動している。九州大学大学院博士課程修了。博士論文のテーマは「バウムクーヘンの文化史」(2021)。著書に、『スイート・スイート・クラシック 洋菓子でめぐる音楽史』(2021)アルテスパブリッシング、『バウムクーヘンの文化史:パン・料理・菓子、越境する銘菓』(2022)青弓社、他。
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