コロナ禍を経て、新しい時代の扉を開きつつあるオーケストラ。最近は、聴衆と一緒に「音楽する喜び」を分かち合う感動的な公演が相次いでいます。その発展を表と裏から導く音楽監督(指揮者)とはどのような仕事なのか、どんな思いで音楽に向き合っているのか。奏者の多様な個性をひとつの響きに束ねあげる多様なリーダーシップとは。世界一流のマエストロや気鋭のマエストロを招き、自身の生の声で伝えていただくシリーズです。聞き手は吉田純子・朝日新聞編集委員がつとめます。 今回のゲストは園田隆一郎さんです。イタリアの「知の伝統」に真に連なった、初めての日本人指揮者と言えるでしょう。ジャンルイジ・ジェルメッティやアルベルト・ゼッダら、イタリアオペラの神髄を知る巨匠たちの薫陶を受け、ロッシーニの殿堂であるロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル(ペーザロ)など、本場での活躍もめざましい精鋭です。イタリアオペラはどんな人間の本質を伝えてくれるのか。私たちがまだまだ気付いていないイタリアオペラの聴き方、楽しみ方とは。知性と感性の両方を突き動かす柔らかなマエストロの語り口に、ぜひ耳を傾けてください。(吉田講師・記)
吉田 純子:朝日新聞編集委員 1971年和歌山市生まれ。93年東京芸大音楽学部楽理科卒業、96年同大大学院音楽研究科(西洋音楽史)修了。在学中はピアニスト、音楽ライターとして活動。97年朝日新聞社入社。学芸部、整理部、広告局、文化くらし報道部次長などを経て現職。
園田 隆一郎:2006 年、シエナのキジアーナ夏季音楽週間《トスカ》を指揮してデビュー。翌年、藤原歌劇団《ラ・ボエーム》を指揮して日本デビューを果たす。同年夏にはペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバル《ランスへの旅》を指揮。その後、ボローニャ歌劇場、トリエステ歌劇場、フランダース・オペラ、日生劇場、びわ湖ホールなど国内外のオペラ、シンフォニーの両分野で活躍する指揮者のひとり。 2024年度は、新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室《トスカ》、東京文化会館オペラBOX《トスカ》、藤沢市民オペラ《魔笛》、びわ湖ホール《三文オペラ》、札幌文化芸術劇場 hitaru《ドン・ジョヴァンニ》などのオペラ公演やパシフィックフィルハーモニア東京定期演奏会をはじめオーケストラ演奏会への出演が予定されている。 2005年第16回五島記念文化賞オペラ新人賞、2017年第16回齋藤秀雄メモリアル基金賞、令和4年度 第73回芸術選奨文部科学大臣新人賞の各賞を受賞。 パシフィックフィルハーモニア東京 指揮者。藤沢市民オペラ芸術監督。
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