中世の民衆(主に農民)の生活をトータルに復元することは、史料的な制約もあってそれほど簡単ではありませんし、やや地味なテーマですが、近年の研究成果に基づいてなるべくわかりやすく整理してお話ししたいと思います。 第1期では「百姓」成立過程と身分の特徴について、第2期では彼らの生活の舞台である村落の様相を、第3期では彼らの1年間の農作業と祭礼を復元します。そして最後に彼らの代表的な闘争である一揆には「作法」があったことを通じて、一揆が合法闘争であったことを明らかにしたいと思います。第1期「「百姓」の成立」では、12世紀末に成立する「百姓」身分の成立過程を明らかにしながら、「百姓」身分の特徴や1人前の条件などについて扱います。 第1期 「百姓」の成立 1)「住人」から「百姓」へ 2)「百姓」の性格 3)1人前の条件 第2期 中世村落の様相 1)惣村の成立 2)惣掟の世界 3)中世村落の様相ー紀伊国桛田荘絵図を読む 第3期 中世農民の四季 1)春ー「田遊び」と勧農 2)夏ー御霊会と七夕 3)秋・冬ー盂蘭盆と八朔 第4期 「一揆」の作法 1)「一揆」とはなにか 2)逃散の作法 3)一揆の時代
木村 茂光:きむら・しげみつ 東京学芸大学名誉教授 大阪市立大学文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は日本中世史、前近代農業史。主な著書・編著『ハタケと日本人』(中公新書)、『「国風文化」の時代』(青木書店)、『中世社会の成り立ち』(吉川弘文館)、『歴史から読む『土佐日記』』(東京堂出版)、『頼朝と街道』(吉川弘文館)、『平将門の乱を読み解く』(吉川弘文館)など多数。
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