西フランス、ロワールの谷の南に位置するポワトゥーとサントンジュの二つの地方では、11〜12世紀、アキテーヌ公家の統治のもとで、華やかなロマネスク芸術が開花しました。サンティヤゴに続く巡礼路に沿って建設された諸教会。その扉口のアーチは繊細な浮彫で装飾され、柱頭には大胆な図像が刻まれています。また、教会の天井や壁には大胆な筆さばきで描かれたフレスコ画が残っています。今回の講座ではこの二つの地方のロマネスク教会を映像によって訪ね歩き、そこにある地域的な個性と魅力を探求します。 T.ポワトゥー・ロマネスク紀行 U.サントンジュ・ロマネスク紀行 掲載画像:ポワティエのノートルダム・ラグランド教会(ポワトゥー)
池田 健二:美術史家 1953年広島県尾道市生まれ。上智大学文学部史学科卒。同大学大学院博士課程修了。 専攻はフランス中世史、中世美術史。91年より毎年『ロマネスクの旅』を企画し全ヨーロッパのロマネスク教会を詳細に調査する。上智大学や茨城キリスト教大学などで長年にわたり歴史や美術史を講義する。訳書に『ヨーロッパ中世社会史事典』(藤原書店)、共訳書に『中世の身体』『中世とは何か』『ヨーロッパの中世−芸術と社会』(藤原書店)、『ロマネスクの図像学』『ゴシックの図像学』(国書刊行会)、著書に『フランス・ロマネスクへの旅』『イタリア・ロマネスクへの旅』『スペイン・ロマネスクへの旅』(中公新書)。
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