『日本霊異記』は上中下の3巻から成る仏教説話集です。善行には良い結果が、悪行には最悪の結果が訪れるという因果応報の理を示す実話を数多く収集しています。奈良時代の終わりから平安時代初頭にかけて薬師寺の僧侶によって編まれました。そこには有名・無名の実に多数の人びとが登場します。彼らの生き生きとした姿を通して古代地域社会の実像に迫りたいと思います。今回は奈良時代の天平年間、聖武天皇の時代を中心にした中巻の講読に入ります。(講師記) 2024年1月開講。
遠山 美都男:とおやま・みつお 学習院大学講師 1957年東京都生まれ。81年学習院大学文学部史学科卒業。同大学院入学、学習院大学文学部助手を経て、現在、同非常勤講師。97年、学習院大学より博士(史学)の学位を授与される。著書に『壬申の乱』『新版 大化改新』(以上、中公新書)、『白村江』『天皇と日本の起源』『天智と持統』(以上、講談社現代新書)、『古代日本の女帝とキサキ』『天武天皇の企て』(以上、角川学芸出版)、『古代の皇位継承』『敗者の日本史 大化改新と蘇我氏』(以上、吉川弘文館)、『蘇我氏四代』(ミネルヴァ書房)、『天平の三皇女』(河出文庫)など多数。
【テキスト】 プリント(新日本古典文学大系『日本霊異記』の該当部分を毎回コピーして配布予定) 【参考書】 中田祝夫全訳注『日本霊異記(中)』講談社学術文庫 ISBN:978-4-06-158336-8 1,353円(本体1,230円) ※各自、書店などでお求めください。