天平5年(733)に完成した『出雲国風土記』は、ほぼ完全な形で伝来した唯一の古風土記です。郡ごとに各種の地名伝承や神社・山・川など多くのデータが所載されています。それは単に地誌にとどまらず、古代に生きた人々の多様な姿、世界観を語ってくれる歴史資料です。 この講座では、冒頭の郡である意宇郡から順番に、注目される記載を取り上げ、その特徴や古代に生きた人びとの様相を読み解くとともに、フィールドワークによってその現場を訪ね、伝承や記載の背景を探ります。 今回は2回にわたり、島根郡の朝酌郷・朝酌渡とその周辺を取り上げます。(講師記) 2024年1月開講 掲載画像:朝酌 (上空から)
平野 卓治:ひらの・たくじ 日本大学教授 國學院大學文學部史學科卒業。同大学院博士課程後期修了。現在、日本大学文理学部史学科教授。論著:共著『風土記の考古学3 出雲国風土記の巻』(同成社)、共著『列島の古代史1 古代史の舞台』(岩波書店)、「『出雲国風土記』写本に関する覚書」『古代文化研究』4,5(島根県古代文化センター)など。
荻原千鶴『全訳注 出雲国風土記』など、『出雲国風土記』のテキストとしてお持ちください。
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