正法眼蔵が伝統的な修道の書、行の書と尊重されますが、行持の巻では、古来の禅僧の仏道に精進した実際の修道生活の事実が詳細に説かれます。その事は釈尊以下の三十二人の修道者たちの精勤努力した綿密な実例が具体的に取り上げられています。本文に、「その行持(修行)の功徳、ときにかくれず、かるがゆへに発心修行す」という、修行の実践によりあらわれる功徳が説かれています。それは「日々の行持の積功のみなり」という吾々の生活姿勢の精進の積みかさねが行持であり、こうした修行が持続されなければ仏道ではないと明らかに述べられています。(講師・記) ※10/7は8/26の補講を行います。
来馬 正行:曹洞宗観音院住職 駒澤大学仏教学部卒。同大学院修士課程修了。禅学専攻。観音院公開講座<参禅会・仏典講読会・福田会>主宰。NHK学園、中村元東方研究所 東方学院、東京吉祥講 眼蔵会(於 大本山永平寺別院)。観音院は江戸初期の1653年、松平出羽守直政開基と伝えられ、境内に住時の阿弥陀如来像(武蔵野市指定文化財)が残る。
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