ベートーヴェン(1770-1827)が少年時代を過ごした中部ドイツの街ボン、当時の大司教・選帝侯は、ハプスブルク家のマキシミリアン・フランツ(1756-1801)、オーストリア女帝マリア・テレジアの末子でした。彼は、熱狂的なモーツァルトの音楽の賛美者であり、さまざまな改革の中でも特に力を注いだのが、教育の普及と芸術文化の振興だったといわれています。1785年にベートーヴェンが作曲した最初の室内楽曲『ピアノ四重奏曲・全三曲 WoO36』には多くのモーツァルトの作品の影響がみられます。 また、ベートーヴェンの音楽のロマン的後継者として位置付けられているシューマン(1810-1856)は、そのボンで生涯を閉じました。 今回は、ベートーヴェンの処女作であるピアノ四重奏曲、屈指の名曲となったシューマンのピアノ四重奏曲を演奏いたします。(本多講師・記) 《演奏曲目》 ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲 ハ長調WoO 36-3 シューマン: ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47 ※演奏曲目は予定です。変更する場合もありますのでご了承下さい。 《演奏》 ピアニスト 本多 昌子さん ヴァイオリニスト 荒川 以津美さん ヴィオリスト 上田 敏子さん チェリスト 山本 祐ノ介さん
本多 昌子:第29回全日本学生コンクール小学校の部全国第一位。PTNAピアノコンペティション金賞受賞。東京芸術大学附属音楽高校を経て芸大入学、東京芸術大学大学院修了。中島和彦、杉山千賀子。田村宏、Tiny Wirtzの各氏に師事。在学中 第52回日本音楽コンクール入選、日本室内楽コンクール入賞、学内にて安宅賞を受賞。1987年DAAD(ドイツ学術交流会)の給費留学生として旧西ドイツケルン音楽大学に入学、当地にてリサイタルを催し、紙上にて高く評価される。同大学を最優秀首席の成績で卒業。「若い芽のコンサート」ギュンター・ウィッヒ氏指揮NHK交響楽団と共演、芸大定期新卒業生紹介演奏会にて芸大オーケストラと共演。1994年CD「現代日本のヴァイオリン音楽・抄」(Vn天満敦子)でピアノ共演者として文化庁芸術作品賞を受賞。1995年、国際交流基金より音楽文化使節として天満敦子氏とともにミヤンマーで演奏会を催す。これまでに昭和音楽大学、芸大附属高校非常勤講師を勤め、後進の指導にもあたっている。
荒川 以津美: 東京芸術大学付属高校、及び同大学を経て同大学院修了。その後、読売日本交響楽団入団。95年アフィニス文化財団海外研修員としてパリ、ベルリンに留学、96年ブーローニュ音楽院室内楽科に於いてプルミエ・プリを取得。第1回日本モーツァルト音楽コンクール前田賞奨励賞受賞。第1回日本室内楽音楽コンクール入選。NHK・FMコンサートに出演。ザルツブルク室内合奏団とモーツァルトの協奏曲を協演。ヴァイオリンを鷲見三郎、鷲見健彰、岡山潔、B・カトーナ、G・プーレ、R・クスマウル、他各氏に師事。 現在、読売日響団員としてオーケストラ活動する他、リサイタル、室内楽活動も積極的に行なっている。また、協奏曲のソリストとしても活躍する等、幅広く活躍している。
上田 敏子:5歳よりヴァイオリンを始める。東京藝術大学附属音楽高校に進みヴィオラに転科、同大学、同大学院修士課程修了。ヴィオラを浅妻文樹、兎束俊之、白尾偕子、川崎雅夫、室内楽をルイ・グレーラー、原田幸一郎の各氏に師事。室内楽奏者、オーケストラの主席ヴィオラ奏者としての演奏活動と共に、東京音楽大学付属高校、学習院女子高等科の非常勤講師を勤める。
山本 祐ノ介:両親ともに作曲家(山本直純、岡本正美)の家庭に生まれる。東京芸術大学卒業後、同大学院を修了。第21回民音コンクール第1位入賞。香川県芸術選奨受賞。著作「チェロが弾ける本」、CD「愛のあいさつ」「魅惑のチェロワールド」、楽譜「チェロ名曲ピースセレクション」などの出版物がある。また、YouTubeで「名画座コンサート」などのコンサートを配信している。これまでに、芸大オーケストラ及び東京交響楽団の各首席チェロ奏者、ハレーストリングクァルテットチェロ奏者、東京都立芸術高校講師、東京芸術大学附属音楽高等学校講師、東京ニューフィル常任指揮者、ミャンマー国立交響楽団音楽監督件常任指揮者、日本音楽コンクール及び日本学生音楽コンクールの各チェロ部門審査員、日本芸術文化振興会専門委員、日本チェロ協会理事などを歴任。ソロ、室内楽、オーケストラなど、数多くのコンサートに出演しているが、近年では「聴衆の目線」をコンセプトに自らプロデュースするコンサートも多く、新しい聴衆の開拓にも意欲を燃やしている。