天皇の権威が大きく低下した室町時代、天皇はどのようにして存続してきたのでしょうか。実は室町時代こそ、今日まで続いてきた天皇という地位の大きな画期だと近年では言われています。低下していた天皇の権威を復活させたと伝えられる第102代天皇の後花園天皇(在位1428〜1464年)は、一般的な知名度はほぼありませんが、天皇という存在を考える際には極めて重要な人物です。後花園天皇の生涯を中心に、足利将軍家との関係も分析しながら、皇権復活の軌跡をたどりたいと思います。(全4回、6月から開講中) 第2回 7月 天皇権威の低下〜観応の擾乱の混乱と天皇家の再分裂 第3回 8月 後花園天皇の登場〜傍系からの皇位継承 第4回 9月 戦う天皇後花園〜天皇権威の復活を目指して ※第1回は6月19日(水)「分裂する天皇家〜両統迭立から南北朝動乱へ」 (教室からオンライン同時配信します)
秦野 裕介:立命館大学衣笠総合研究機構プロジェクト研究員 立命館大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程単位取得退学、元立命館大学・立命館アジア太平洋大学非常勤講師。専門は日本中世史、特に天皇の歴史やアジア諸地域と日本との関係に関心がある。単著に『乱世の天皇』(東京堂出版)、『神風頼み』(柏書房)、共著に『天下人の攻城戦』(朝日新書)、『南北朝の動乱主要合戦全録』(星海社新書)など。