メルロ=ポンティの思索は、狭い意味での哲学の領域にはとどまりません。「生きられた世界」をまるごととらえようとする彼の態度は、そのまま画家や音楽家の世界把握に重なり、彼らの芸術の秘密を明かしてくれるものとなっています。今期は、「セザンヌの懐疑」「間接的言語と沈黙の声」「眼と精神」などをひもときながら、彼の芸術論に学ぶことといたしましょう。絵画・彫刻・音楽はもとより、言語芸術に興味をお持ちの方も、ぜひふるってご参加ください。(講師・記) 【カリキュラム予定】※状況によって変更することもございます。 第1回 メルロ=ポンティ芸術論へのアプローチ 第2回 「セザンヌの懐疑」と知覚 第3回 「間接的言語と沈黙の声」:絵画と言語 第4回 「眼と精神」:絵画と身体性 第5回 メルロ=ポンティと現代の芸術論 第6回 身体と世界。絵画・音楽・言語表現のはざま ※お申し込みは6ヶ月単位ですが、途中からのご受講もいただけます。
加賀野井 秀一:中央大学名誉教授 1950年高知市生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。同大学院、パリ大学大学院で学び、現在に至る。専攻はフランス現代思想、哲学、言語学、メディア論。著書に『メルロ=ポンティ―触発する思想』(白水社)、『メルロ=ポンティと言語』(世界書院)、『20世紀言語学入門』(講談社現代新書)、『日本語は進化する』(NHKブックス)、『知の教科書ソシュール』(講談社選書メチエ)、『日本語を叱る』(ちくま新書)、『猟奇博物館へようこそ―西洋近代知の暗部をめぐる旅』(白水社)など。訳書に、メルロ=ポンティ『知覚の本性』『「幾何学の起源」講義』(共に法政大出版)、ルピション『極限への航海』(岩波書店)、ミシュレ『海』(藤原書店)、ドゥルーズ『哲学の教科書』(河出文庫)など。他に、メルロ=ポンティ哲学者事典(全4巻、白水社)など。
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。