3世紀の我が国には、『魏志』倭人伝に記された邪馬台国が、筑後国山門郡山門郷(現、福岡県みやま市瀬高町)、『日本書紀』『古事記』に記された崇神・垂仁天皇の治める大倭国が、奈良県桜井市三輪山西麓の纒向遺跡を中心に存在したことを述べ、『魏志』倭人伝や『宋書』倭国伝によって、我が国の古代国家成立史を考えることの危うさについて述べたいと思います。『紀・記』に従えば、我が国の4世紀は、「謎」でも「空白」の世紀でもありません。
岡田 登:皇學館大学名誉教授 1952年生まれ。歴史学者、考古学者。専門は、日本古代史、日本考古学、神宮史。皇學館大学文学部教授を経て現職。1974年皇學館大學文学部卒業、皇學館大學大学院文学研究科博士課程退学、皇學館大學助手、皇學館大學史料編纂所所員、皇學館大學専任講師、皇學館大學助教授、皇學館大学文学部教授を経て現職。 著書(共著):『四日市市史第3巻史料編考古2』(四日市市、1993)、『磯部町史』(磯部町、1997)、『紀勢町史』(紀勢町、2001)、『多度町史 資料編』(多度町、2002)、『伊勢市史第6巻考古編』(伊勢市、2011)、(自著)『伊勢の大神宮とその周辺を巡る』(登龍舎、2017)。
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