【8月】 瓦からみた寺院造営について〜古代末から中世にかけて〜 講師: (公財)かながわ考古学財団総務企画部 橋 香 平安時代中頃から瓦葺きの建物が相模の国からだんだんみられなくなりますが、古代末から中世初頭の時期になると遠隔地から瓦が導入され、瓦葺きの建物が再びみられるようになります。瓦は「瓦礫」扱いされることが多いですが、たくさんの情報をわたしたちに教えてくれる「宝物」。瓦から何がわかるのかお話していきます。 【9月】 古代末における相模国府と土器について 講師: (公財)かながわ考古学財団調査研究部 齋藤 葵 地域支配の拠点として各国に国府が設置されたが、その衰退・終焉のようすは国によって様々です。相模国府は大住郡から余綾郡へ移転したことが分かっており、この余綾郡に置かれた国府に焦点を当てながら、人々の生活に関わる土器についても確認していきます。 【10月】 中世都市鎌倉の変化〜鎌倉時代を中心として〜 講師: (公財)かながわ考古学財団調査研究部 山口 正紀 鎌倉時代の中心であった鎌倉、源氏から北条政権へ移り変わっていく中で、武士や職能民など人々が集中する都市へと発展していきます。中世都市として日本の中心地で発見された当時の様相を発掘調査事例から探っていきます。 【11月】 神奈川県内の葬送〜古代から中世への変遷〜 講師: (公財)かながわ考古学財団調査研究部 松葉 崇 飛鳥時代に始まったとされる火葬は、中世でより広がりを見せます。人の死生観は、地域や時代によって様々ですが、考古学の発掘調査でどのように見つかるのでしょうか。神奈川県内の事例を中心に、読み解いていきます。 -------- (公財)かながわ考古学財団は、神奈川県の公益財団法人。発掘調査と普及活用を行うとともに、神奈川県という地域に根差した学術研究を実施する。現地見学会で発掘現場を公開し、調査成果は、発掘調査報告書をはじめ、発表会やセミナーなどで公開している。古墳時代の発掘調査は、近年、子易・中川原遺跡(伊勢原市)、上粕屋・子易遺跡(伊勢原市)、中依知遺跡群(厚木市)、及川伊勢宮遺跡(厚木市)など、新東名高速道路・厚木秦野道路建設事業にかかる伊勢原市域、厚木市域の調査で大きな成果があがっている。
橋 香:帝塚山大学大学院人文科学研究科修士課程で考古学専攻。(公財)大阪府文化財調査センター、茅ヶ崎市文化振興財団を経て、2006年よりかながわ考古学財団勤務。専門は古代〜近世の瓦、古代寺院・官衙・集落など。
齋藤 葵:国士館大学大学院修士課程で考古学を専攻。東京都埋蔵文化財センターを経て、2021年よりかながわ考古学財団勤務。専門は奈良・平安時代の土器。
山口 正紀:鶴見大学文化財学科で考古学を専攻。鎌倉市教育委員会を経て、2013年よりかながわ考古学財団勤務。専門は中世都市論。
松葉 崇:青山学院大学大学院博士前期課程で考古学を専攻。海老名市・鎌倉市教育委員会を経て、2006年よりかながわ考古学財団勤務。専門は中世の葬送。
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