20世紀の哲学は、一般に「言語論的転回」と呼ばれましたが、21世紀の哲学はどうなるのでしょうか。この講座では、言語も含め、人間の相互関係であるコミュニケーション活動に場面を広げ、その条件となっている物質的・技術的媒体(メディア)に光を当て、哲学史をあらためて読み直します。哲学説の単なる羅列ではなく、それぞれの哲学思想がなぜ・どのように生まれたのか、その背景となる伝達媒体(メディア)を通して理解していきます。哲学史を広い観点から考え直しますので、哲学の入門講座としてお気軽にご参加ください。 【カリキュラム予定】※状況によって変更することもございます。 ■4月期(終了) 第1講 メディアって何だろうか?―― マクルーハンとキトラーから考える 第2講 音声言語(パロール)と文字言語(エクリチュール)をめぐって―― プラトン とデリダ 第3講 意味と記号の系譜学―― アリストテレスとストア派の論理学 ★■7月期 第4講 イエスというメディア――キリスト教のテクノロジー 第5講 メディアとしての大学――スコラ哲学の戦略 第6講 グーテンベルクの銀河系?――ルネサンスの人文主義 ■10月期 第7講 普遍記号学の構想――経験主義と理性主義のはざまで 第8講 岐路に立つ理性――カントからヘーゲルへの転換 第9講 技術メディアの衝撃――マルクス、ニーチェ、フロイト ■2025年1月期 第10講 複製技術論とファシズムーーベンヤミンとアドルノの芸術論 第11講 人間学と社会学――ゲーレンとルーマンの人間・社会論 第12講 人間と機械の未来――ハイデガーとウィーナーのサイバネティクス論 ※お申込みは3か月単位です
岡本 裕一朗:玉川大学名誉教授 1954年福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。九州大学文学部助手を経て、現在、玉川大学文学部名誉教授。専攻は哲学・倫理学。 著書に、『ネオ・プラグマティズムとは何か―ポスト分析哲学の新展開』『ヘーゲルと現代 思想の臨界』『ポストモダンの思想的根拠』『異議あり!生命・環境倫理学』(すべてナカニシヤ出版)、『12歳からの現代思想』(ちくま新書)、『モノ・ サピエンス』(光文社新書)、『ヘーゲル入門』(共著・河出書房新社)、『フシギなくらい見えてくる!本当にわかる現代思想』(日本実業出版社)、『フランス現代思想史』(中公新書)、『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)、『ほんとうの「哲学」の話をしよう』(中央公論新社)など多数。
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