みなさんは、自分の好きな美術について、どのような区分/分野で、とらえていらっしゃいますか? たとえば文化施設を例に一般的な区分を考えてみると、博物館(古美術)・近代美術館・現代美術館が挙げられます。我々もまた、この線引きになんとなく従って好みが形成されます。しかし、歴史とは、すっぱりと切り分けることができるのでしょうか。 明治期から細分化される研究の中で、この分類どころか、ヨーロッパ、東洋美術という枠すら飛び越して、自在に語った人物の一人に、宮川寅雄という美術史家がいます。今回は特に宮川の、近代美術の思想に光を当てます。 ▶▶▶宮川寅雄とは 多角的な視野で日本美術を捉えた昭和の稀有な美術史家。日中文化交流協会理事長もつとめた。和光大学人文学部教授。2024年をもって没後40年を迎えた。 ■7月10日■ 古美術、近代美術、現代美術の違い ■8月 7日■ 岡倉天心、瀧口修造、土方定一の近代美術 ■9月11日■ 宮川寅雄の近代美術 〇写真キャプション 写真 右より:宮川寅雄(『風琴 宮川寅雄歌集』1985年 短歌新聞社 小方悟撮影)/ 土方定一(酒井忠康『芸術の海をゆく人』|みすず書房|2016 年)/岡倉天心(茨城県天心記念五浦美術館)/瀧口修造(『瀧口修造 夢の漂流物』|世田谷美術館|2005年)
宮田 徹也:宮田徹也(みやた・てつや) 美術批評者。1970年横浜市生まれ。横浜国立大学教育学部付属横浜小・中学校卒。奈川県立田奈高等学校中退。和光大学卒。横浜国立大学大学院教育学研究科修士課程修了。岡倉覚三、宮川寅雄、針生一郎を経て敗戦後日本前衛美術に到達。日本近代美術思想史研究。嵯峨美術大学客員教授、名古屋芸術大学・日本大学芸術学部・日本大学経済学部など多数の学校で講師を務める。
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