ヘルメスとはギリシア神話に登場する言葉と学問、雄弁と商業の神ですが、エジプトではトト神と習合して「トリスメギストス」(三倍に偉大な)という異名をもちました。このヘルメスの名前を冠した著作が紀元前3世紀〜後3世紀にアレクサンドリアで多数生み出され、その対象は占星術・錬金術から宗教・思想まで及び、内容もプラトン主義やストア派からエジプトの密儀宗教まで多様でした。本講座では、ヘレニズム時代の代表的なオカルト思想であるヘルメス主義を概説するとともに、ルネサンス期における復活についても図像を交えて紹介します。(講師記) ※図版は「ジョヴァンニ・ダ・ステーファノ《ヘルメス・トリスメギストス》1488年 シエナ大聖堂」 ※8/19休講、補講は9/2(同曜日、同時間)に行います。(8/17) 【7月期・ヘルメス主義】 @ヘレニズム時代におけるヘルメスとヘルメス主義 Aヘルメス文書の成立とその思想 Bルネサンスにおけるヘルメス主義の再生 ※10月期以降のスケジュール 【10月期・数秘術】 @古代ギリシアにおける数秘術 A中世キリスト教時代における数秘術 Bルネサンスにおける数秘術 【2025年1月期・降霊術】 @古代ギリシアとヘレニズム時代における降霊術 A中世キリスト教時代における降霊術 Bルネサンスにおける降霊術
伊藤 博明:いとう・ひろあき 専修大学文学部哲学科教授 1955年生まれ。専門は思想史・芸術論。著書に『ルネサンスの神秘思想』(講談社学術文庫、2012年)、『象徴と寓意』(「アート・ギャラリー10」、集英社、2018年)、共著に『神秘哲学―イスラーム哲学とキリスト教中世3』(岩波書店、2012年)、編著に『哲学の歴史4 ルネサンス』(中央公論新社、2007年)、翻訳にアルチャーティ『エンブレム集』(ありな書房、2000年)、ホラポッロ『ヒエログリフ集』(ありな書房、2020年)、ヴァグナー編『世界初のビジネス書―15世紀イタリア商人 ベネデット・コトルリ15の黄金則』(すばる舎、2021年)などがある。
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