第2次大戦後、歌姫カラスが降臨してから四分の三世紀、オペラ界は「温故知新」の四字熟語を地で行く形で発展を遂げました。まずは、「昔のオペラが面白い!」と気づいた指揮者が増え、彼らの要望に沿う形で歌手勢が「声の技をどんどん磨く」ようになったので、21世紀の現在、オペラ史424年間が抱える作品は「楽譜さえ掘り起こせれば、上演が可能」な状況に至っています。 カストラートの役を引き受けるカウンタテナーの数も激増しましたし、40年前には、ロッシーニ《セビリャの理髪師》の伯爵の大アリアを「カットするのが当然、誰も歌えない」とみなが思っていたことを考えると、いまや隔世の感があります。 そこで今回は、ヘンデルやヴィヴァルディ、モーツァルトからベッリーニ、ヴェルディ、マスカーニといった認知度の高い作曲家たちの「イタリア・オペラにおける存在意義」を短いキャッチフレーズで紹介しながら、記念碑的な映像や録音をたっぷりとお楽しみ頂きます。
岸 純信: オペラ研究家。『音楽の友』『ぶらあぼ』『音楽現代』『モーストリー・クラシック』『レコード芸術』や公演プログラムに寄稿。CD&DVD解説多数。NHK『らららクラシック』『オペラ・ファンタスティカ』にも出演多。著書『オペラは手ごわい』(春秋社)、『簡略オペラ史』(八千代出版)、『オペラのひみつ』(メイツ)、訳書『ワーグナーとロッシーニ』『作曲家ビュッセル回想録』(八千代出版)。共著『奇跡の歌姫マリア・カラス』(音楽之友社)等。大阪大学非常勤講師(オペラ史)。新国立劇場オペラ専門委員や静岡国際オペラコンクール企画運営委員ほか歴任。
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