かつて教科書で習った日本古代史はどう書き替えられたのか。最新の考古学や史料学の成果を取り入れた日本古代史を講じます。 本講座では、原始から中世の始まりまでを対象とします。日本古代において重要となる基礎的なトピックをいくつか取り上げて、研究史を批判的に整理しつつ最新の知見もまじえて論じることとなります。日本列島の形成や「日本人」の誕生から始めて、平安時代初期まで進んで中断していましたが、今回、ちょうど切りのいいことに新たな国家体制である王朝国家から再スタートします。 紫式部や藤原道長の時代も、何回目でお話ししますが、彼らがどうしてあれほどの政治や文化を謳歌できたのか、王朝国家の特質から解説していくことになります。(講師・記) 〈スケジュール〉 7月 新しい王朝国家体制はどのようなものだったのか 8月 摂関をめぐる争いはどのようなものだったか 9月 道長の権力の源泉は何だったのか 〈全体の予定〉 春学期 4月 律令体制の行き詰まりはどのようなものだったのか 5月 平安時代、どのような外交政策の変化があったのか 6月 前期摂関政治と天皇制の変質とは何か 夏学期 7月 新しい王朝国家体制はどのようなものだったのか 8月 摂関をめぐる争いはどのようなものだったか 9月 道長の権力の源泉は何だったのか 秋学期 10月 いわゆる「国風文化」「女房文学」と摂関政治との関連はあるのか 11月 浄土信仰はどのように拡がったのか 12月 摂関政治はどのように終焉を迎えたのか 冬学期 1月 地方支配制度の改編はどのようなものだったのか 2月 院政はどうやって始まったのか 3月 武士が台頭する契機は何だったのか
倉本 一宏:1958年三重県生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程修了。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター名誉教授。専門は日本古代史、古記録学。著書に『藤原道長の日常生活』『紫式部と藤原道長』(いずれも講談社現代新書)、『藤原道長の権力と欲望』(文春新書)『藤原氏』『公家源氏』『平氏』(いずれも中公新書)『小右記』『御堂関白記』『権記』の現代語訳など。24年NHK大河ドラマ「光る君へ」時代考証担当。
必要な資料は随時配布します。参考書:倉本一宏『はじめての日本古代史』ちくまプリマー新書
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