さまざまな名所旧跡を訪ねた芭蕉が、そこでの出来事やその印象を文章にし、それぞれの文章の末尾に、「ここで一句」、と俳句を詠んで、俳句でまとめる。多くの人は『おくのほそ道』はそんなふうにできている、と思っています。これは一般の読者にかぎらず、専門に読んでいる人においても、『おくのほそ道』に出てくる俳句を、本文に付随するものとして扱っていることが散見されます。文章を読むことと比較して、俳句は、感性で読むものと思っているのかもしれません。しかし、『おくのほそ道』、実際は、もっとずっと俳句主導の作品なのです。俳句が文章を意味づけているものが大半であり、そこには芭蕉の明確な意図があります。よって、俳句を正しく読んでおかなければ、『おくのほそ道』という作品を正しく読んだことにはなりません。一昨年の講座では、『おくのほそ道』を通読する形で、このことを説きましたが、俳句主導の、俳句に特化した講座の方が、理解が容易ではないか、そのように考え、今回、このようなテーマで開催することとしました。『おくのほそ道』における全六十二句、丁寧に読み解きます。(講師記) ★2024年4月期開講 <年間カリキュラム(予定)> 4月期 序章〜白川の関/7月期 須賀川〜最上川/10月期 羽黒〜越後路/1月期 一振〜大垣
浅生田 圭史:俳人 『古志』元編集長 1964年横浜生まれ。平成6年より長谷川櫂(古志)に師事。著書に句集「獅子」、評論集「俳句の時代」。
★岩波文庫『おくのほそ道』を一応の基本テキストとしますが、他社のものでもまったく問題ありません。ご自身でご用意ください。
★Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはyk9yokohama@asahiculture.com@asahiculture.comで承ります。