「士大夫」は、紀元前11世紀から20世紀初頭まで、3千年にわたり旧中国社会の政治・軍事・学問・文芸をささえた中流実務階層です。儒教の開祖・孔子も、三国志の諸葛孔明も、唐の詩人で紫式部や清少納言にも影響を与えた白居易も、みな士大夫でした。中国史の真の支配者は皇帝ではなく、大臣や官僚を輩出した士大夫階層だったかもしれません。日本史にも多大の影響を与えた「士大夫」という存在について、豊富な図版を使いながら、予備知識のないかたにもわかりやすく説明します。(講師・記)
加藤 徹:かとう・とおる 明治大学教授 1963年生まれ。東京大学文学部、同大学大学院で中国文学を専攻。広島大学総合科学部助教授を経て、現在、明治大学法学部教授。著書:『京劇』(中公叢書・サントリー学芸賞)、『漢文力』(中公文庫)、『西太后』(中公新書)、『漢文の素養』(光文社新書)、『貝と羊の中国人』(新潮新書)、『怪力乱神』(中央公論新社)、『梅蘭芳 世界を虜にした男』(ビジネス社)、『中国人の腹のうち』(廣済堂出版)、『東洋脳×西洋脳』(共著・中央公論新社)などがある。
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