ペルシアには、“石”を用いた碑文や石像やレリーフがたくさん残されています。今期は、夏休みの特別編として、ペルシアの“石”文化と、いにしえの石のモニュメントが後世に与えた影響についてご紹介します。今回の対象地域は、主に、イランの西部と、アルメニアやアゼルバイジャンを含むコーカサス地方です。 一風変わったペルシアの石のモニュメントとして、ひとつは世界遺産にもなったビーソトゥーン碑文(2006年登録)と暫定リストにあるターケ・ボスターンのレリーフ、もうひとつは、世界遺産には登録されていませんが、コーカサス地方からザグロス山脈にかけて散在する人や動物をかたどった石柱や石像があります。 文字や用途がわからないなか、後世の人びとはどのようにこれらの碑文や石像を見たのでしょうか。みなさんも一緒に考えてみませんか?(講師・記) 【各回テーマ】 1 神々の宿る場からペルシア・ロマンス叙事詩の舞台へ ――ビーソトゥーン碑文とターケ・ボスターン壁画の“その後” 2 天文遺跡か墓石かパワースポットか? ――ライオン石、ヒツジ石、龍(ドラゴン)石の世界 *今後は、ペルシアの世界遺産のつづきとともに、ペルシアの影響が大きかった近隣諸国や、ペルシアと関係の深い世界遺産を取り上げる予定です(ウズベキスタン、インド、ペルシア式庭園など)。 ※テーマは予定です。変更になる場合がございますので予めご了承ください。
守川 知子:(もりかわ・ともこ)東京大学大学院人文社会系研究科准教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(文学)、イラン史、西アジア社会史。特に、社会史や文化史を専門とし、イラクのシーア派諸聖地への巡礼や、海や陸のシルクロードを通じた文化交流、アルメニア人などの宗教マイノリティを主たる研究対象としている。主著に、『シーア派聖地参詣の研究』(京都大学学術出版会、2007年)、編著に『移動と交流の近世アジア史』(北海道大学出版会、2016年)、『都市からひもとく西アジア――歴史・社会・文化』(勉誠出版、2021年)などがある。
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