この講座では、キリスト教がヨーロッパ社会に与えた影響を、「聖性」と「ロジック」の両面から読み解いていくことを目的とします。「聖性」という観念は、人々の価値観や信仰生活、あるいは、建築や絵画などのあらゆるキリスト教芸術にはかりしれない影響を与えました。またキリスト教的な「ロジック」は、当時の権力構造や平和概念といった社会の枠組みをつくるさまざまな概念を規定し、他地域への軍事侵攻や他民族の排除を正当化する理由にもなり得る重要なものでした。そしてこれらは「ヨーロッパ的なもの」の礎となり、中世以降、ヨーロッパ社会がさまざまな局面で変容し、再編されていくなかで、常に普遍的な屋台骨として機能しました。その様相を、多様なテーマを取り上げていくことで、解明していきたいと考えています。(講師・記)2024年1月開講。 〈2024年7〜12月各回の予定〉 第7回 「聖人」とは誰か 中世中期以降 第8回 聖堂と聖性(1)バシリカ 第9回 聖堂と聖性(2)ロマネスク 第11回 聖堂と聖性(3)ゴシック 第12回 聖堂と聖性(4)ルネサンス 第13回 聖堂と聖性(5)バロック
藤崎 衛:ふじさき・まもる 東京大学教授 1975年生まれ。ローザンヌ大学、ローマ大学などに留学し、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。上智大学准教授を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て教授。専門は西洋中世の文化史・宗教史。著書に『中世教皇庁の成立と展開』(八坂書房、地中海学会ヘレンド賞)、『ヴァチカン物語』(塩野七生などとの共著、新潮社)、『名著で読む世界史』(共著、山川出版社)。訳書にG・バラクロウ『中世教皇史』(八坂書房)、J・ブラック『世界史』(ニュートンプレス)。
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