新古今和歌集は、後鳥羽院が藤原定家達歌人に命じ、また自ら精撰した、第八番目の勅撰集後です。全20巻、総歌数は1980首。収められた和歌は、万葉集から平安時代を経て鎌倉初期に至るまでの歌人たちの歌で、歌人数は400名ほどです。最多数入集歌人は西行で、慈円、良経、俊成、式子内親王、藤原定家などが続きます。紀貫之や和泉式部、柿本人麻呂といった、古い時代の歌人の和歌も含みます。古今集を規範とし、本歌取や題詠という新たなレトリックを用い、艶・幽玄という美意識に支えられた新古今和歌集の世界は、日本文学、日本文化の一つの頂点、最高峰を示しています。 今期は恋歌1011番〜1037番を読みます。忍恋・夏恋はどう詠むか、大伴家持、和泉式部、曽禰好忠、式子内親王などの歌人、大和物語、歌合などの多くの作品を紹介し、講読します。1回ごとに完結するスタイルですので、今期からの受講も歓迎します。(講師・記) <各回のテーマ> 7/12(金) 藤原義孝、和泉式部、源重之 7/26(金) 大中臣能宣、大江匡衡、清原元輔 8/9(金) 凡河内躬恒、宇多院、大和物語、一条摂政 8/23(金) 曽禰好忠、藤原興風、大伴家持、源有仁 9/13(金) 忍恋、久忍恋、北野宮歌合、夏恋 9/27 (金) 水無瀬釣殿当座六首歌合、式子内親王の恋歌、
谷 知子:フェリス女学院大学教授 1959年、徳島県生まれ。大阪大学国文学科卒業、東京大学大学院博士課程単位取得。博士(文学・東京大学)。フェリス女学院大学教授。専攻は中世和歌。著書に「ビギナーズクラシック角川文庫『百人一首(全)』」(KADOKAWA)『古典のすすめ』『天皇たちの和歌』『和歌文学の基礎知識』(角川選書)、『中世和歌とその時代』(笠間書院)、『かきやりし黒髪−恋歌への招待』(フェリスブックス)『愛と生を紡ぐうた 百人一首』(PHP研究所)などがある。
<参考テキスト>久保田淳著『新古今和歌集 上・下』(角川ソフィア文庫) ※講義ごとに資料を配布いたしますので、必携ではございません。
Zoomを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。