1. 全国トップ
  2. 新宿教室
  3. 科学
  4. 宇宙・気象・環境
  5. 講座詳細
講座番号:4588387
新宿教室
科学
NEW 教室・オンライン自由講座 見逃し配信あり

消えた宇宙の反物質 

郡 和範ほか/国立天文台/KEK高エネルギー加速器研究機構教授講師詳細
  • 粒子と反粒子が衝突して光になり、新しい粒子が作られる模式図 ©KEK.jpg

    ⒸKEK

  • 粒子と反粒子が衝突して光になり、新しい粒子が作られる模式図 ©KEK.jpg
  • 2024/7/20, 8/24, 9/7, 10/12, 11/16, 12/7
  • 会員20,790円
詳細を見る
続きを読む
曜日・時間 土曜 10:30〜12:00
回数 6回
持ち物
備考 Zoomミーティングを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師はオンライン講義。第4回早野講師と第6回郡講師のみ教室で講義予定)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。
会員 20,790円(税込)
受講料 
19,800円
設備費 
990円

日程

2024/7/20, 8/24, 9/7, 10/12, 11/16, 12/7

受講総額(税込)

会員20,790円
詳細を見る 終了しました

person講師詳細

郡 和範こおり・かずのり 国立天文台教授 1970年兵庫県生まれ。2000年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。2004年、米ハーバード大学博士研究員。2006年、英ランカスター大学 研究助手、2009年、東北大学大学院助教、2014年、高エネルギー加速器研究機構准教授などを経て、現職。また、高エネルギー加速器研究機構・総合研究大学院大学・東京大学カブリIPMUの教員も兼任。研究内容は、宇宙論・宇宙物理学の理論研究 (キーワード:ビッグバン元素合成、バリオン数生成、インフレーション宇宙論、ダークマター、ダークエネルギー、ニュートリノ、ブラックホール、重力波、宇宙線など)。著書に『宇宙物理学(KEK物理学シリーズ3)』(共立出版)、『宇宙はどのような時空でできているのか』『「ニュートリノと重力波」のことが一冊でまるごとわかる』(ベレ出版)などがある。

西田 昌平1976年生まれ。京都大学大学院在学中からBelle実験に加わり、B中間子の崩壊の研究を行う。その後、高エネルギー加速器研究機構にて、Belle実験と後継のBelle II実験に従事している。Belle II測定器の粒子識別装置を担当しながら、Belle実験の物理コーディネータを務め、標準模型を越えた物理の探索を行ってきた。最近は、Belle II実験のデータを用いた、ダークマター(暗黒物質)の探索にも取り組んでいる。

坂下 健2006年に大阪大学 大学院理学研究科物理学専攻博士課程を修了、博士(理学)。専門は素粒子物理学。博士課程修了後からT2K実験に参加して、ニュートリノの研究を続けている。2023年4月からT2K実験の代表者を務める。

鳥居 祥二京都大学理学研究科博士課程修了、理学博士(1978年)。東京大学宇宙線研究所、米国ユタ州立大学物理学科等での博士研究員を経て、1983年より神奈川大学物理教室。宇宙科学研究所との共同研究として宇宙線の気球観測を実施。2005年より早稲田大学理工学術院教授。JAXAとの共同プロジェクトとして国際宇宙ステーション搭載宇宙線観測(CALET)プロジェクトに代表者として従事。約5年間の観測装置の開発を経て2015年に打ち上げ、現在まで観測を継続中。2019年定年退官により早稲田大学名誉教授。

早野 龍五東京大学名誉教授・物理学者 1952年岐阜県生まれ。原子物理学者。東京大学理学部物理学科、同大学院理学系研究科を経て、高エネルギー物理学研究所助教授、東大理学部物理助教授、1997年から東京大学大学院理学系研究科教授、2017年東京大学名誉教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウムと反水素原子の研究を行う。2011年3月以来、福島と関わり、現状分析、情報発信を行う。1998年第14回井上学術賞、2008年仁科記念賞、2009年第62回中日文化賞、著書に糸井重里氏と共著『知ろうとすること。』(新潮文庫)。 http://office-hayano.com/about.html

榎戸 輝揚えのと・てるあき 2010年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士(物理学)。2010-2012年スタンフォード大学・SLAC研究員(日本学術振興会 海外特別研究員)。2012-2015年NASAゴダード宇宙飛行センター研究員(日本学術振興会 特別研究員 SPD)。2015年から京都大学白眉センター、2020年から理化学研究所 理研白眉研究チームリーダーを経て、2022年11月より現職。専門はX線観測を中心に中性子星やマグネターの観測的研究。

教室・オンライン自由講座

消えた宇宙の反物質 

国立天文台/KEK高エネルギー加速器研究機構教授 郡 和範ほか
<講座案内>
粒子と反粒子が衝突して光になり、新しい粒子が作られる模式図 ©KEK.jpg

物理学の法則によると、理想的には反粒子つまり反物質は、物質と同じだけ作られてもおかしくありません。しかし、この宇宙には、地球の周りはおろか、銀河系の中にも、なぜか反物質はほとんど存在していないことがわかってきました。それでは、いつ、どのように反物質は消えてしまったのでしょうか?今回の講座では、実験・観測・理論のそれぞれの分野で世界を牽引する専門家が、その問題を解説します。 [1.7/20](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261954) KEK素粒子原子核研究所教授・西田昌平氏「Belle II(ベル・ツー)実験: クォークのCPの破れ」:KEKで電子・陽電子衝突型加速器を用いて行われたBelle(ベル)実験は、クォークが6種類あればCPの破れを説明できる、とする小林益川理論を検証しました。現在、後継のBelle II(ベル・ツー)実験が稼働中で、より多くのデータを用いて、CPの破れや標準模型を超える物理について詳細な研究を進め、反物質が消えた謎に迫ろうとしています。 [2.8/24](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261955) KEK素粒子原子核研究所教授・坂下健氏「T2K(ティーツーケー)実験: ニュートリノのCPの破れ」: 現在の宇宙には物質のみが存在して反物質がないという謎の解明を目指し、素粒子ニュートリノを人工的に生成して研究を行なっています。東海to神岡ニュートリノ振動実験、T2K実験といいます。最近、ニュートリノを生成する装置とニュートリノを測定する装置の両方をパワーアップし、実験が新しい段階に入りました。実験の最新の状況と今後の展開についてお話します。 [3.9/7](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261956) 早稲田大学名誉教授・鳥居祥二氏「宇宙線の中の反物質の観測」:宇宙からは、宇宙線とよばれる高いエネルギーに加速された素粒子や原子核が降り注いでいる。その中には、反陽子や陽電子がわずかながら含まれていて、宇宙科学最大の謎の一つである暗黒物質によって作られた可能性がある。さらに反ヘリウムや反重水素が検出されたという報告もあり、宇宙線中の反物質の観測に大きな期待が寄せられている。 [4.10/12](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261957)東京大学名誉教授・早野龍五氏「CERNで反物質を作る実験」:私の講義では、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で行われている反物質の実験的研究について紹介します。一般的に、「物質」と言われると、個々の粒子でなく、原子から構成されるものを指します。したがって、「反物質」について話す場合、陽子の反粒子である反陽子と電子の反粒子である陽電子が結合した反水素原子から始めることが重要です(実際に扱えるのは反水素だけですが)。CERN研究所には、世界で唯一の「反物質工場」があり、2000年には数百個の反水素原子の生成に成功しました。以来、反水素原子と水素原子の性質を精密に比較するためのさまざまな実験が行われています。最近では、反水素原子の重力落下に関する実験も行われました。この講義では、私が25年前から関わってきたCERN研究所での反物質研究の歴史と最新の結果について話します。 [5.11/16](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261958)京都大学准教授・榎戸輝揚氏「雷で生じる反物質を見る観測」:身近な雷には未だに多くの謎があります。最近、雷の瞬間に光に近いスピードまで電子が加速され、エネルギーの高い光(ガンマ線)が瞬間的に発生することが明らかになってきました。さらに、このガンマ線が大気中の窒素や酸素にぶつかることによって原子核が壊れ、陽電子と呼ばれる電子の反粒子が生じることがわかってきました。雷をめぐる観測プロジェクトを紹介します。 [6.12/7](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261959)国立天文台・KEK高エネルギー加速器研究機構教授・郡和範氏「宇宙の始まりに消えた反物質の理論」:この講座の最終回として、私は理論家の立場からこの宇宙の反物質だけが宇宙のはじまりの時期に消えてしまったとする理論モデルを紹介します。小林-益川理論をはじめとして、反物質は物質とは違うとする、つまりCP対称性の破れの存在を指摘する理論モデルが多数報告されています。それらは宇宙が始まった頃に、物質と同様に存在していた反物質が、宇宙の歴史を通じて、ある時点から消えてしまい、現在の宇宙の姿になったとする理論モデルです。これらを最新の宇宙論と素粒子論を用いて解説します。講演の最後に私が講座全体を振り返りながらまとめます。

<講師紹介>

郡 和範:こおり・かずのり 国立天文台教授 1970年兵庫県生まれ。2000年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。2004年、米ハーバード大学博士研究員。2006年、英ランカスター大学 研究助手、2009年、東北大学大学院助教、2014年、高エネルギー加速器研究機構准教授などを経て、現職。また、高エネルギー加速器研究機構・総合研究大学院大学・東京大学カブリIPMUの教員も兼任。研究内容は、宇宙論・宇宙物理学の理論研究 (キーワード:ビッグバン元素合成、バリオン数生成、インフレーション宇宙論、ダークマター、ダークエネルギー、ニュートリノ、ブラックホール、重力波、宇宙線など)。著書に『宇宙物理学(KEK物理学シリーズ3)』(共立出版)、『宇宙はどのような時空でできているのか』『「ニュートリノと重力波」のことが一冊でまるごとわかる』(ベレ出版)などがある。


西田 昌平:1976年生まれ。京都大学大学院在学中からBelle実験に加わり、B中間子の崩壊の研究を行う。その後、高エネルギー加速器研究機構にて、Belle実験と後継のBelle II実験に従事している。Belle II測定器の粒子識別装置を担当しながら、Belle実験の物理コーディネータを務め、標準模型を越えた物理の探索を行ってきた。最近は、Belle II実験のデータを用いた、ダークマター(暗黒物質)の探索にも取り組んでいる。


坂下 健:2006年に大阪大学 大学院理学研究科物理学専攻博士課程を修了、博士(理学)。専門は素粒子物理学。博士課程修了後からT2K実験に参加して、ニュートリノの研究を続けている。2023年4月からT2K実験の代表者を務める。


鳥居 祥二:京都大学理学研究科博士課程修了、理学博士(1978年)。東京大学宇宙線研究所、米国ユタ州立大学物理学科等での博士研究員を経て、1983年より神奈川大学物理教室。宇宙科学研究所との共同研究として宇宙線の気球観測を実施。2005年より早稲田大学理工学術院教授。JAXAとの共同プロジェクトとして国際宇宙ステーション搭載宇宙線観測(CALET)プロジェクトに代表者として従事。約5年間の観測装置の開発を経て2015年に打ち上げ、現在まで観測を継続中。2019年定年退官により早稲田大学名誉教授。


早野 龍五:東京大学名誉教授・物理学者 1952年岐阜県生まれ。原子物理学者。東京大学理学部物理学科、同大学院理学系研究科を経て、高エネルギー物理学研究所助教授、東大理学部物理助教授、1997年から東京大学大学院理学系研究科教授、2017年東京大学名誉教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウムと反水素原子の研究を行う。2011年3月以来、福島と関わり、現状分析、情報発信を行う。1998年第14回井上学術賞、2008年仁科記念賞、2009年第62回中日文化賞、著書に糸井重里氏と共著『知ろうとすること。』(新潮文庫)。 http://office-hayano.com/about.html


榎戸 輝揚:えのと・てるあき 2010年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士(物理学)。2010-2012年スタンフォード大学・SLAC研究員(日本学術振興会 海外特別研究員)。2012-2015年NASAゴダード宇宙飛行センター研究員(日本学術振興会 特別研究員 SPD)。2015年から京都大学白眉センター、2020年から理化学研究所 理研白眉研究チームリーダーを経て、2022年11月より現職。専門はX線観測を中心に中性子星やマグネターの観測的研究。

日   時
2024/7/20, 8/24, 9/7, 10/12, 11/16, 12/7
    
土曜 10:30〜12:00
回 数 
6回
受 講 料
会員 20,790円 [ 受講料 19,800円 / 設備費 990円 ]
※入会金・受講料等は消費税10%を含む金額です。

Zoomミーティングを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師はオンライン講義。第4回早野講師と第6回郡講師のみ教室で講義予定)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。

  • ※ご入会の優待制度をご利用の方はお申し出ください。
  • ※日程が変更されることがありますので、ご了承ください。
  • ※講師の病気や受講者が一定数に達しない場合などには、講座を中止することがあります。