大相撲の人気関取だった元豊真将の錣山親方をお招きし、知られざる裏話をうかがいます。 錣山親方は、人気関取だった元寺尾の先代錣山親方が初めて育てた関取でした。「角界で最も美しい」と評された土俵での所作をご記憶の方も多いでしょう。膝の大けがで現役を続けられなくなるという悔しい引退でしたが、「立田川親方」を襲名し、先代親方の元で後輩たちの指導にあたっていました。しかし、昨年12月、先代親方が心不全のため急逝。21代錣山親方を襲名し、部屋を継ぎました。 木訥で義理堅く、真面目で優しい錣山親方。自身の現役時代や先代親方の思い出、今後の土俵への夢などをたっぷりと語っていただきます。(抜井・記)
立田川 豊英:錣山(しころやま)親方。元小結 豊真将(ほうましょう) 。本名は山本 洋介(やまもと ようすけ)。1981年4月16日生まれ。山口県豊浦郡豊浦町(現在の下関市)出身。現役時代の体格は身長186cm、体重151kg。得意手は右四つ・寄り・左前褌(みつ)。最高位は東小結(2012年5月場所)。生涯戦歴415勝344敗109休。受賞歴敢闘賞5回、技能賞2回。旧豊浦町立豊浦中学校卒業後、埼玉栄高等学校から日本大学に進学。当初からレギュラー格で活躍するも、蜂窩織炎の悪化により1年で相撲部を退部。一時は相撲を諦め、警備員や鳶職などアルバイト中心の学生生活を送っていた。大学を中退してアルバイト先の社長の紹介で開設されたばかりの錣山部屋に入門。2004年3月場所に前相撲から初土俵を踏んだ。基礎からみっちりと稽古を積み、井筒部屋での出稽古で鶴竜らとともに汗を流しながら力をつけ、初土俵からおよそ2年で新入幕。20代錣山が育てた最初の関取となった。2011年11月場所で、度重なる怪我や不運を乗り越え、待望の新三役(西小結)昇進を果たした。30歳6ヶ月での三役昇進は、1958年以降初土俵の力士としては第4位の高齢昇進だった。2014年7月場所、日馬富士戦で重傷を負い、2015年1月場所で引退。年寄・立田川を襲名した。断髪式は全席の観客に見やすくするため、正面(東)向正面(西)正面と向きを変えながらの回転式で進行、角界初の試みであるとして話題となった。現在は、錣山部屋親方として後進の指導にあたっている。趣味は読書、史跡巡り。
抜井 規泰:朝日新聞記者(元大相撲三賞選考委員) 朝日新聞記者。元大相撲三賞選考委員。1994年、中央大学法学部卒。同年、朝日新聞社入社。週刊朝日編集部、特別報道部、スポーツ部などをへて、現在、社会部東部支局(両国)。主にスポーツ記者として、大相撲、プロ野球、大リーグを取材。週刊朝日編集部時代にプロ野球ロッテ球団の薬物疑惑をスクープ報道したほか、「マブチモーター会長宅強盗殺人事件」の主犯の別件の未解決殺人事件報道で、2007年の「雑誌ジャーナリズム賞・スクープ賞」受賞。著書に「知らないと怖いインプラント治療」など。
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