『エンチュクロペディー(哲学的諸学のエンチュクロペディー(百科全書)綱要)』とは、ヘーゲルが自らの壮大な哲学体系を簡便にまとめ上げた書物で、それは、「論理学」「自然哲学」「精神哲学」の三部構成になっています。この三部全体を、二年をかけて読み通したいと思いますが、今期はこのうちの第三篇「精神哲学」の前半三分の一ほど(「緒論」から第一部「主観的精神」の「B 精神の現象学 意識」まで)を講読します。ヘーゲルの「精神哲学」は、ヘーゲル哲学において、「論理学」とともに、充実した内容が展開される箇所ですが、今期取り上げる箇所は、「心」そして「意識」がテーマです。私たちにとってこのうえなく大切な「心」とは、また「意識」とは何なのかを、ヘーゲルとともに考えたいと思います。(講師:記) 第1回 「緒論」「第一部 主観的精神」「A 人間学」「心」 第2回 「第一部 主観的精神」「A 人間学」「a 自然的な心」 第3回 「第一部 主観的精神」「A 人間学」「b 感ずる心」 第4回 「第一部 主観的精神」「A 人間学」「b 感ずる心」「c 現実的な心」 第5回 「第一部 主観的精神」「B 精神の現象学」 <参考文献> 『エンチュクロペディ 哲学諸学綱要』 河出書房新社
山 守:たかやま・まもる 1948年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科単位取得退学。2013年3月まで東京大学教授。現在東京大学名誉教授。日本ヘーゲル学会元代表理事。カントからヘーゲルに至るドイツ近代哲学が主要な研究領域だが、近年は、手話言語を哲学的な論議に導入することを目論んでいる。著書は、『ヘーゲルを読む−自由に生きるために−』(左右社)『ヘーゲル哲学と無の論理』(東京大学出版会)、『因果論の超克−自由の成立に向けて−』(東京大学出版会)、『自由論の構築−自分自身を生きるために−』(東京大学出版会)など。
Zoomミーティングを使用したオンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。