今からちょうど150年前、国会開設を求める「民撰議院設立建白書」が出されました。自由民権運動の始まりです。それからおよそ50年を経て、国内では大正デモクラシーによる政治熱が高まり、国外では第一次世界大戦による激変が生じていました。その舵取りを担ったのが、「平民宰相」と呼ばれた原敬であり、原が率いた「日本初の本格的政党内閣」でした。 それだけに、その成功と失敗は現在に至る日本政治の長所と短所を如実に現しています。自由民権運動150年に当たり、現在の日本政治の位置を確認し、これからを考える一助として、原が歩んだ近代日本と、彼が目指した政治社会のすがたを考えます。(講師・記)
清水 唯一朗:慶応義塾大学総合政策学部教授 長野県生まれ。専門は日本政治外交史、オーラルヒストリー。1999年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。政策研究大学院大学、東京大学でオーラルヒストリーによる政策研究に参画。博士(法学)。2007年、慶應義塾大学総合政策学部に着任し、現職。米・ハーバード大学客員研究員、台湾・国立政治大学客員副教授、ドイツ・ルール大学客員教授として日本研究の国際交流にも努める。主著に『原敬』(中公新書、2021年)、『日本政治史』(瀧井一博、村井良太両氏と共著、有斐閣、2020年)、『The Origins of Modern Japanese Bureaucracy』(英Bloomsbury、2019年)、『日本史の論点』(共著、中公新書、2018年)、『近代日本の官僚』(中公新書、2013年)、『政党と官僚の近代』(藤原書店、2007年)がある。
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