自然科学および人文科学双方の領域が学術として成立しうるために共有する探求の方法論は、前五世紀アテナイにおいて彫琢されたといえるだろう。その営為を支えた「ソクラテス以前」の知的岩盤の来歴を、本講座を通して新たな角度から読み解いていく。 <ソクラテス以前:哲学の始まりと天文学>(※2/21サブタイトル追記) 第一回:ヘシオドスとその周辺:ソクラテスに至る諸探求の端緒は,天界の秩序の発見であった。ヘシオドス『神統記』および『仕事と日』の根底に横たわる天文学的知見の特徴と由来および後世への影響を解説する。 第二回:ピュタゴラスとその周辺:「数」と「幾何学図形」による自然探求の端緒および後世への影響を解説する。 第三回:パルメニデスとその周辺:思惟と感覚の峻別を明確に描出するパルメニデスの諸断片を当時の宇宙論を視野に入れつつ読み解きながら,ソクラテス以前の学問方法論の知的層序を総括する。
和泉 ちえ:千葉大学 人文科学研究院 教授, Ph.D.(University of Cambridge)。 専攻はギリシア哲学・科学。 主要業績に関しては以下のサイトに掲載。https://www.l.chiba- u.jp/applicants/teachers/izumi_chiye.html
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