天平5年(733)編纂の『出雲国風土記』は、唯一ほぼ完全な形で伝来した古代の地誌であり、中央の歴史書にはみえない地域の多様な歴史を示してくれる貴重な史料です。『出雲国風土記』を通して、古代出雲の実態について考えていきましょう。 この講座では『出雲国風土記』のテキストをよみ進め、そこにみえる様々な問題について画像資料や地図なども活用しながら、そのつど考えていきます。 今期は「大原郡(おおはらのこほり)」を取り上げます。大原郡にはオオクニヌシの神宝が納められたという伝承や目一つの鬼の伝承など、興味深い記述が多いのが特徴です。また、大原郡内にはヤマタノヲロチ伝説の地もありますが、これに関する記載は風土記にはありません。これらの問題について地図や画像資料も用いながら、途中からの参加者にも分かりやすく全3回で丁寧に読み解きます。(講師・記) ※画像説明:『出雲国風土記』(古代文化センター本)島根県古代文化センター提供 <テキスト>加藤義成『出雲国風土記』(松江今井書店)※毎回資料を配布いたします。 <参考書>荻原千鶴『出雲国風土記』(講談社学術文庫)
佐藤 雄一:さとう ゆういち 1981年熊本県生まれ。駒澤大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(歴史学)。専門は日本古代史。島根県教育庁を経て、現職。著書・論文として『古代信濃の氏族と信仰』(吉川弘文館、2021年)、『新視点 出雲古代史』(平凡社、2024年、共著)、『古代風土記の事典』(東京堂出版、2018年、共著)「出雲国風土記と出雲の神々」(『しまねの古代文化』第26号、島根県古代文化センター、2019年)、「鹿島神宮のカシマ大神」(『別冊太陽 風土記―古代の日本をひらく―』平凡社、2018年)など。
<日程が変更になりました>6月22日休講→6月8日補講(曜日時間同じ)。 Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。