ユダヤ教において聖書を読むことは宗教的な義務であり、生活の規範や教訓的な物語、知的な思索のための機会であり続けてきました。そのさまざまな読みは、何を問うべきかを定め、その問いを徹底的に探究するという姿勢によって貫かれているといえます。 本講座では全12回にわたって、ユダヤ教における聖書解釈のテクストを読みながら、その探究の歴史に触れてみたいと思います。(講師・記) <各回のテーマ> 各回申し込みも可能です。 ・4月20日 世界創造物語:ユダヤ教聖書解釈のふたつの視点 [4月のみはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7146993) ヘブライ語聖書は世界創造の物語から始まります。ユダヤ教における聖書解釈では、「世界はどのように創られたのか」という問いだけでなく、「なぜ聖書は世界創造の物語から始まるのか」という問いも探究されてきました。本講座では、この物語に内在する視点と外在する視点というふたつの視点からの解釈のテクストを実際に読み、考えてみたいと思います。 ・5月18日 アダムとエバ:ラビたちの人間観 [5月のみはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7146996) ヘブライ語聖書における人間の創造、なかでもアダムとエバの創造は、ラビ・ユダヤ教における人間観の形成に大きな影響をもたらしてきました。ラビたちがアダムとエバの物語からどのような霊感を得たのか。本講座では神と人との関係、人と人との関係、男と女の関係など、「関係」をキーワードにして、ラビたちの聖書解釈を読んでみたいと思います。 ・6月15日 アブラハムのイサク奉献:ユダヤ教の視点からの探究 [6月のみはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7146997) アブラハムが神から息子のイサクを犠牲にして捧げよと命じられたヘブライ語聖書の物語は、ユダヤ教やキリスト教をはじめとする宗教思想のみならず、哲学や倫理においてもさまざまな解釈を生み出してきました。本講座では、創世記の記述にさまざまな釈義を加えるラビたちの物語的な読解と、この出来事そのものの意味を問う思想的な読解に焦点を当てて、ユダヤ教における「アブラハムのイサク奉献」の解釈を読んでみたいと思います。
志田 雅宏:東京大学講師 1981年東京都生まれ。東京大学にて宗教学を専攻し、大学院生のときにヘブライ大学(イスラエル)に留学。中世キリスト教世界のユダヤ教文化の研究を専門としつつ、現代のユダヤ教世界にも視野を広げている。
各回のみの受講料 会員3,575円[受講料3,410円/設備費165円] ⼀般4,675円[受講料4,510円/設備費165円] Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認下さい。お問合せはtc9acc2@asahiculture.comで承ります。