薬師寺は裳階付きの三重塔や金堂本尊の薬師三尊像であまりに有名です。薬師寺は天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って藤原京に建設したのが始まりです。平城京薬師寺は、藤原京薬師寺から移築したものか、奈良での新築か、本尊薬師三尊像は藤原京薬師寺から移したものか、平城京薬師寺での新鋳か、明治時代以来、論争が続きました。近年の藤原京薬師寺東塔の発掘、平城京薬師寺東塔の解体修理によって、薬師寺は平城京での新建であることが明らかになりました。薬師三尊像についても平城京遷都後の作とする説が有力となっています。藤原京薬師寺での発掘成果、平城京薬師寺の全面的な発掘の成果を検討しつつ、薬師寺の歴史的・文化的意義について考えます。 (講師記)
木下 正史:きのした・まさし 東京学芸大学名誉教授 1941年東京都生まれ。東京教育大学卒業。同大学院修士課程修了。日本考古学専攻。奈良国立文化財研究所、東京学芸大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。主な著書に『古代日本を発掘する―飛鳥藤原の都―』『飛鳥・藤原の都を掘る』『藤原京』など。
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