山村浩二監督の代表作『頭山』が国際的なアニメーション映画祭の最高峰であるアヌシーでグランプリを受賞し、第75回アカデミー賞にノミネートされたのは2003年の出来事になります。初めての日本人作家によるアヌシー受賞という快挙は、国内外で大きな話題となりました。その後も山村監督は多くの国際映画祭で高い評価を受けつづけ、日本を代表するアニメーション作家の1人として広く知られています。 その作品は、インクや水墨、クレイなど様々な手法で詩情豊かに描かれ、躍動する点と線、個性的なキャラクターデザイン、音楽との調和など、多くの魅力にあふれています。 山村監督は学生時代から「アニメーションとは何か」というテーマに真摯に取り組み、自身の制作活動を着実に積み上げてこられました。この講座では、聞き手をアニメ評論家である藤津亮太さんにお願いし、山村監督に46年に及ぶ制作の軌跡を振り返りつつ、後進の指導や新作の構想についても語っていただきます。
山村 浩二:1964年生まれ。1987年東京造形大学卒業。90年代「パクシ」「バベルの本」など子供向けアニメーションを制作。「頭山」(2002年) が第75回アカデミー賞にノミネート、アヌシー、ザグレプ他6つのグランプリを受賞、「今世紀100年の100作品」の1本に選出される。長編「幾多の北」(2021年)がアヌシー・コントルシャン・クリスタル賞とオタワでグランプリを受賞など、監督作品の受賞は140以上、また芸術選奨受賞、紫綬褒章受章、クリングゾール賞など9つの功労賞を受賞。「おやおや、おやさい」、「ちいさな おおきな き」(第65回小学館児童出版文化賞受賞)、「くじらさんのーたーめならえんやこーら」(第22回日本絵本賞)、「べるがなる」など100タイトルを超える絵本に携わる。映画芸術科学アカデミー会員、東京藝術大学大学院教授。
藤津 亮太:1968年生まれ。静岡県出身。アニメ評論家。雑誌・WEB・DVDブックレットなど各種媒体で執筆中。著書に『「アニメ評論家」宣言』、『チャンネルはいつもアニメ』、『声優語』、『プロフェッショナル13人が語る わたしの声優道』がある。毎月第一金曜日はニコニコでアニメに詳しくなれる番組『アニメの門チャンネル』(http://ch.nicovideo.jp/animenomon)を配信中。 HP http://blog.livedoor.jp/personap21/ twitter ID fujitsuryota ★朝日カルチャー講座関連ハッシュタグは #aniyomu 撮影:中里楓
Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。