日本の外交政策は大きな曲がり角にある。米中対立、憲法、防衛力整備など取り組まなければならない課題は多いが、国民レベルでの政策的合意を得るのは容易ではない。その主たる要因として考えられるのが、特定の政策をめぐる論争が「賛成か反対か」、「右か左か」という、二項対立の図式に回収されてしまうことにある。そこで本講義は、現代の日本外交を考えるための主要な「論点」を抽出し、あえて二項対立的な論点を可視化させる。そこから、今日の日本が直面する外交上の問題を鮮明にすると同時に、人々が自らの見解や立場の相違を超えて、建設的で民主的な議論に参画するにはどうしたらよいか検討したい。(講師・記) 第1回 日米同盟 第2回 米軍基地 第3回 憲法と集団的自衛権 第4回 自衛隊 第5回 経済安全保障 <参考資料>講義の内容をさらに深めたい方は、以下の著作をご参照ください。(講師・記) 佐藤史郎・川名晋史他編『日本外交の論点』法律文化社、2018年
川名 晋史:かわな・しんじ 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。 1979年北海道生まれ。博士(国際政治学)。専門は、米国の海外基地政策。著書『基地の政治学――戦後米国の海外基地拡大政策の起源』(白桃書房,2012年,佐伯喜一賞)、『基地の消長 1968-1973――日本本土の米軍基地「撤退」政策』(勁草書房、2020年、猪木正道賞特別賞)、『基地はなぜ沖縄でなければいけないのか』(筑摩書房、2022年)、編著『共振する国際政治学と地域研究――基地,紛争,秩序』(勁草書房、2019年、手島精一記念研究賞),『世界の基地問題と沖縄』(明石書店、2022年)ほか。
筆記用具
・講師都合により、2023/12/22を2024/1/12に変更しました(2023/12/11)。 ・Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師はオンライン)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。