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最新研究で迫る宇宙

気鋭の研究者たちが様々な角度から最新の宇宙像に迫ります。
※途中からの受講が可能な講座もございます。
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    粒子と反粒子が衝突して光になり、新しい粒子が作られる模式図 ©KEK.jpg

    消えた宇宙の反物質 

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    • 見逃し配信あり
    • 郡 和範ほか/国立天文台/KEK高エネルギー加速器研究機構教授
    • 2024/07/20〜
      10:30〜12:00

    物理学の法則によると、理想的には反粒子つまり反物質は、物質と同じだけ作られてもおかしくありません。しかし、この宇宙には、地球の周りはおろか、銀河系の中にも、なぜか反物質はほとんど存在していないことがわかってきました。それでは、いつ、どのように反物質は消えてしまったのでしょうか?今回の講座では、実験・観測・理論のそれぞれの分野で世界を牽引する専門家が、その問題を解説します。 [1.7/20](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261954) KEK素粒子原子核研究所教授・西田昌平氏「Belle II(ベル・ツー)実験: クォークのCPの破れ」:KEKで電子・陽電子衝突型加速器を用いて行われたBelle(ベル)実験は、クォークが6種類あればCPの破れを説明できる、とする小林益川理論を検証しました。現在、後継のBelle II(ベル・ツー)実験が稼働中で、より多くのデータを用いて、CPの破れや標準模型を超える物理について詳細な研究を進め、反物質が消えた謎に迫ろうとしています。 [2.8/24](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261955) KEK素粒子原子核研究所教授・坂下健氏「T2K(ティーツーケー)実験: ニュートリノのCPの破れ」: 現在の宇宙には物質のみが存在して反物質がないという謎の解明を目指し、素粒子ニュートリノを人工的に生成して研究を行なっています。東海to神岡ニュートリノ振動実験、T2K実験といいます。最近、ニュートリノを生成する装置とニュートリノを測定する装置の両方をパワーアップし、実験が新しい段階に入りました。実験の最新の状況と今後の展開についてお話します。 [3.9/7](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261956) 早稲田大学名誉教授・鳥居祥二氏「宇宙線の中の反物質の観測」:宇宙からは、宇宙線とよばれる高いエネルギーに加速された素粒子や原子核が降り注いでいる。その中には、反陽子や陽電子がわずかながら含まれていて、宇宙科学最大の謎の一つである暗黒物質によって作られた可能性がある。さらに反ヘリウムや反重水素が検出されたという報告もあり、宇宙線中の反物質の観測に大きな期待が寄せられている。 [4.10/12](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261957)東京大学名誉教授・早野龍五氏「CERNで反物質を作る実験」:私の講義では、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で行われている反物質の実験的研究について紹介します。一般的に、「物質」と言われると、個々の粒子でなく、原子から構成されるものを指します。したがって、「反物質」について話す場合、陽子の反粒子である反陽子と電子の反粒子である陽電子が結合した反水素原子から始めることが重要です(実際に扱えるのは反水素だけですが)。CERN研究所には、世界で唯一の「反物質工場」があり、2000年には数百個の反水素原子の生成に成功しました。以来、反水素原子と水素原子の性質を精密に比較するためのさまざまな実験が行われています。最近では、反水素原子の重力落下に関する実験も行われました。この講義では、私が25年前から関わってきたCERN研究所での反物質研究の歴史と最新の結果について話します。 [5.11/16](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261958)京都大学准教授・榎戸輝揚氏「雷で生じる反物質を見る観測」:身近な雷には未だに多くの謎があります。最近、雷の瞬間に光に近いスピードまで電子が加速され、エネルギーの高い光(ガンマ線)が瞬間的に発生することが明らかになってきました。さらに、このガンマ線が大気中の窒素や酸素にぶつかることによって原子核が壊れ、陽電子と呼ばれる電子の反粒子が生じることがわかってきました。雷をめぐる観測プロジェクトを紹介します。 [6.12/7](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7261959)国立天文台・KEK高エネルギー加速器研究機構教授・郡和範氏「宇宙の始まりに消えた反物質の理論」:この講座の最終回として、私は理論家の立場からこの宇宙の反物質だけが宇宙のはじまりの時期に消えてしまったとする理論モデルを紹介します。小林-益川理論をはじめとして、反物質は物質とは違うとする、つまりCP対称性の破れの存在を指摘する理論モデルが多数報告されています。それらは宇宙が始まった頃に、物質と同様に存在していた反物質が、宇宙の歴史を通じて、ある時点から消えてしまい、現在の宇宙の姿になったとする理論モデルです。これらを最新の宇宙論と素粒子論を用いて解説します。講演の最後に私が講座全体を振り返りながらまとめます。

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    消えた宇宙の反物質 第4回10/12のみ

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    • 早野 龍五/東京大学名誉教授
    • 2024/10/12
      10:30〜12:00

    物理学の法則によると、理想的には反粒子つまり反物質は、物質と同じだけ作られてもおかしくありません。しかし、この宇宙には、地球の周りはおろか、銀河系の中にも、なぜか反物質はほとんど存在していないことがわかってきました。それでは、いつ、どのように反物質は消えてしまったのでしょうか?今回の講座では、実験・観測・理論のそれぞれの分野で世界を牽引する専門家が、その問題を解説します。(郡和範さん記) <第4回テーマ> 4. 10月12日 東京大学名誉教授・早野龍五さん 「CERNで反物質を作る実験」: 私の講義では、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で行われている反物質の実験的研究について紹介します。一般的に、「物質」と言われると、個々の粒子でなく、原子から構成されるものを指します。したがって、「反物質」について話す場合、陽子の反粒子である反陽子と電子の反粒子である陽電子が結合した反水素原子から始めることが重要です(実際に扱えるのは反水素だけですが)。CERN研究所には、世界で唯一の「反物質工場」があり、2000年には数百個の反水素原子の生成に成功しました。以来、反水素原子と水素原子の性質を精密に比較するためのさまざまな実験が行われています。最近では、反水素原子の重力落下に関する実験も行われました。この講義では、私が25年前から関わってきたCERN研究所での反物質研究の歴史と最新の結果について話します。 [<通し回テーマはこちらをクリック>](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7184408) 1.7月20日 KEK素粒子原子核研究所教授・西田昌平さん「Belle II(ベル・ツー)実験: クォークのCPの破れ」: KEKで電子・陽電子衝突型加速器を用いて行われたBelle(ベル)実験は、クォークが6種類あればCPの破れを説明できる、とする小林益川理論を検証しました。現在、後継のBelle II(ベル・ツー)実験が稼働中で、より多くのデータを用いて、CPの破れや標準模型を超える物理について詳細な研究を進め、反物質が消えた謎に迫ろうとしています。 2.8月24日 KEK素粒子原子核研究所教授・坂下健さん 「T2K(ティーツーケー)実験: ニュートリノのCPの破れ」: 現在の宇宙には物質のみが存在して反物質がないという謎の解明を目指し、素粒子ニュートリノを人工的に生成して研究を行なっています。東海to神岡ニュートリノ振動実験、T2K実験といいます。最近、ニュートリノを生成する装置とニュートリノを測定する装置の両方をパワーアップし、実験が新しい段階に入りました。実験の最新の状況と今後の展開についてお話します。 3.9月7日 早稲田大学名誉教授・鳥居祥二さん「宇宙線の中の反物質の観測」: 宇宙からは、宇宙線とよばれる高いエネルギーに加速された素粒子や原子核が降り注いでいる。その中には、反陽子や陽電子がわずかながら含まれていて、宇宙科学最大の謎の一つである暗黒物質によって作られた可能性がある。さらに反ヘリウムや反重水素が検出されたという報告もあり、宇宙線中の反物質の観測に大きな期待が寄せられている。 4. 上記参照 5. 11月16日 京都大学准教授・榎戸輝揚さん 「雷で生じる反物質を見る観測」:身近な雷には未だに多くの謎があります。最近、雷の瞬間に光に近いスピードまで電子が加速され、エネルギーの高い光(ガンマ線)が瞬間的に発生することが明らかになってきました。さらに、このガンマ線が大気中の窒素や酸素にぶつかることによって原子核が壊れ、陽電子と呼ばれる電子の反粒子が生じることがわかってきました。雷をめぐる観測プロジェクトを紹介します。 6. 12月7日 国立天文台・KEK高エネルギー加速器研究機構教授・郡和範さん 「宇宙の始まりに消えた反物質の理論」:この講座の最終回として、私は理論家の立場から、この宇宙の反物質だけが宇宙のはじまりの時期に消えてしまったとする理論モデルを紹介します。小林-益川理論をはじめとして、反物質は物質とは違うとする、つまりCP対称性の破れの存在を指摘する理論モデルが多数報告されています。それらは、宇宙が始まった頃に、物質と同様に存在していた反物質が、宇宙の歴史を通じて、ある時点から消えてしまい、現在の宇宙の姿になったとする理論モデルです。これらを最新の宇宙論と素粒子論を用いて解説します。講演の最後に、私が講座全体を振り返りながらまとめます。

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    消えた宇宙の反物質 第5回11/16のみ

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    • 見逃し配信あり
    • 榎戸 輝揚/京都大学准教授
    • 2024/11/16
      10:30〜12:00

    物理学の法則によると、理想的には反粒子つまり反物質は、物質と同じだけ作られてもおかしくありません。しかし、この宇宙には、地球の周りはおろか、銀河系の中にも、なぜか反物質はほとんど存在していないことがわかってきました。それでは、いつ、どのように反物質は消えてしまったのでしょうか?今回の講座では、実験・観測・理論のそれぞれの分野で世界を牽引する専門家が、その問題を解説します。(郡和範さん記) <第5回テーマ> 5. 11月16日 京都大学准教授・榎戸輝揚さん 「雷で生じる反物質を見る観測」:身近な雷には未だに多くの謎があります。最近、雷の瞬間に光に近いスピードまで電子が加速され、エネルギーの高い光(ガンマ線)が瞬間的に発生することが明らかになってきました。さらに、このガンマ線が大気中の窒素や酸素にぶつかることによって原子核が壊れ、陽電子と呼ばれる電子の反粒子が生じることがわかってきました。雷をめぐる観測プロジェクトを紹介します。 [<通し回テーマはこちらをクリック>](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7184408) 1.7月20日 KEK素粒子原子核研究所教授・西田昌平さん「Belle II(ベル・ツー)実験: クォークのCPの破れ」: KEKで電子・陽電子衝突型加速器を用いて行われたBelle(ベル)実験は、クォークが6種類あればCPの破れを説明できる、とする小林益川理論を検証しました。現在、後継のBelle II(ベル・ツー)実験が稼働中で、より多くのデータを用いて、CPの破れや標準模型を超える物理について詳細な研究を進め、反物質が消えた謎に迫ろうとしています。 2.8月24日 KEK素粒子原子核研究所教授・坂下健さん 「T2K(ティーツーケー)実験: ニュートリノのCPの破れ」: 現在の宇宙には物質のみが存在して反物質がないという謎の解明を目指し、素粒子ニュートリノを人工的に生成して研究を行なっています。東海to神岡ニュートリノ振動実験、T2K実験といいます。最近、ニュートリノを生成する装置とニュートリノを測定する装置の両方をパワーアップし、実験が新しい段階に入りました。実験の最新の状況と今後の展開についてお話します。 3.9月7日 早稲田大学名誉教授・鳥居祥二さん「宇宙線の中の反物質の観測」: 宇宙からは、宇宙線とよばれる高いエネルギーに加速された素粒子や原子核が降り注いでいる。その中には、反陽子や陽電子がわずかながら含まれていて、宇宙科学最大の謎の一つである暗黒物質によって作られた可能性がある。さらに反ヘリウムや反重水素が検出されたという報告もあり、宇宙線中の反物質の観測に大きな期待が寄せられている。 4. 10月12日 東京大学名誉教授・早野龍五さん 「CERNで反物質を作る実験」: 私の講義では、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で行われている反物質の実験的研究について紹介します。一般的に、「物質」と言われると、個々の粒子でなく、原子から構成されるものを指します。したがって、「反物質」について話す場合、陽子の反粒子である反陽子と電子の反粒子である陽電子が結合した反水素原子から始めることが重要です(実際に扱えるのは反水素だけですが)。CERN研究所には、世界で唯一の「反物質工場」があり、2000年には数百個の反水素原子の生成に成功しました。以来、反水素原子と水素原子の性質を精密に比較するためのさまざまな実験が行われています。最近では、反水素原子の重力落下に関する実験も行われました。この講義では、私が25年前から関わってきたCERN研究所での反物質研究の歴史と最新の結果について話します。 5. 上記参照 6. 12月7日 国立天文台・KEK高エネルギー加速器研究機構教授・郡和範さん 「宇宙の始まりに消えた反物質の理論」:この講座の最終回として、私は理論家の立場から、この宇宙の反物質だけが宇宙のはじまりの時期に消えてしまったとする理論モデルを紹介します。小林-益川理論をはじめとして、反物質は物質とは違うとする、つまりCP対称性の破れの存在を指摘する理論モデルが多数報告されています。それらは、宇宙が始まった頃に、物質と同様に存在していた反物質が、宇宙の歴史を通じて、ある時点から消えてしまい、現在の宇宙の姿になったとする理論モデルです。これらを最新の宇宙論と素粒子論を用いて解説します。講演の最後に、私が講座全体を振り返りながらまとめます。

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    消えた宇宙の反物質 第6回 12/7のみ

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    • 郡 和範/国立天文台/KEK高エネルギー加速器研究機構教授
    • 2024/12/07
      10:30〜12:00

    物理学の法則によると、理想的には反粒子つまり反物質は、物質と同じだけ作られてもおかしくありません。しかし、この宇宙には、地球の周りはおろか、銀河系の中にも、なぜか反物質はほとんど存在していないことがわかってきました。それでは、いつ、どのように反物質は消えてしまったのでしょうか?今回の講座では、実験・観測・理論のそれぞれの分野で世界を牽引する専門家が、その問題を解説します。(郡和範さん記) <第6回テーマ> 6. 12月7日 国立天文台・KEK高エネルギー加速器研究機構教授・郡和範さん 「宇宙の始まりに消えた反物質の理論」:この講座の最終回として、私は理論家の立場から、この宇宙の反物質だけが宇宙のはじまりの時期に消えてしまったとする理論モデルを紹介します。小林-益川理論をはじめとして、反物質は物質とは違うとする、つまりCP対称性の破れの存在を指摘する理論モデルが多数報告されています。それらは、宇宙が始まった頃に、物質と同様に存在していた反物質が、宇宙の歴史を通じて、ある時点から消えてしまい、現在の宇宙の姿になったとする理論モデルです。これらを最新の宇宙論と素粒子論を用いて解説します。講演の最後に、私が講座全体を振り返りながらまとめます。 [<通し回テーマはこちらをクリック>](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7184408) 1.7月20日 KEK素粒子原子核研究所教授・西田昌平さん「Belle II(ベル・ツー)実験: クォークのCPの破れ」: KEKで電子・陽電子衝突型加速器を用いて行われたBelle(ベル)実験は、クォークが6種類あればCPの破れを説明できる、とする小林益川理論を検証しました。現在、後継のBelle II(ベル・ツー)実験が稼働中で、より多くのデータを用いて、CPの破れや標準模型を超える物理について詳細な研究を進め、反物質が消えた謎に迫ろうとしています。 2.8月24日 KEK素粒子原子核研究所教授・坂下健さん 「T2K(ティーツーケー)実験: ニュートリノのCPの破れ」: 現在の宇宙には物質のみが存在して反物質がないという謎の解明を目指し、素粒子ニュートリノを人工的に生成して研究を行なっています。東海to神岡ニュートリノ振動実験、T2K実験といいます。最近、ニュートリノを生成する装置とニュートリノを測定する装置の両方をパワーアップし、実験が新しい段階に入りました。実験の最新の状況と今後の展開についてお話します。 3.9月7日 早稲田大学名誉教授・鳥居祥二さん「宇宙線の中の反物質の観測」: 宇宙からは、宇宙線とよばれる高いエネルギーに加速された素粒子や原子核が降り注いでいる。その中には、反陽子や陽電子がわずかながら含まれていて、宇宙科学最大の謎の一つである暗黒物質によって作られた可能性がある。さらに反ヘリウムや反重水素が検出されたという報告もあり、宇宙線中の反物質の観測に大きな期待が寄せられている。 4. 10月12日 東京大学名誉教授・早野龍五さん 「CERNで反物質を作る実験」: 私の講義では、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で行われている反物質の実験的研究について紹介します。一般的に、「物質」と言われると、個々の粒子でなく、原子から構成されるものを指します。したがって、「反物質」について話す場合、陽子の反粒子である反陽子と電子の反粒子である陽電子が結合した反水素原子から始めることが重要です(実際に扱えるのは反水素だけですが)。CERN研究所には、世界で唯一の「反物質工場」があり、2000年には数百個の反水素原子の生成に成功しました。以来、反水素原子と水素原子の性質を精密に比較するためのさまざまな実験が行われています。最近では、反水素原子の重力落下に関する実験も行われました。この講義では、私が25年前から関わってきたCERN研究所での反物質研究の歴史と最新の結果について話します。 5. 11月16日 京都大学准教授・榎戸輝揚さん 「雷で生じる反物質を見る観測」:身近な雷には未だに多くの謎があります。最近、雷の瞬間に光に近いスピードまで電子が加速され、エネルギーの高い光(ガンマ線)が瞬間的に発生することが明らかになってきました。さらに、このガンマ線が大気中の窒素や酸素にぶつかることによって原子核が壊れ、陽電子と呼ばれる電子の反粒子が生じることがわかってきました。雷をめぐる観測プロジェクトを紹介します。 6. 上記参照

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    最新の実験結果から迫る素粒子の謎

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    • 西田 昌平/KEK素粒子原子核研究所教授
    • 2024/11/02〜
      13:00〜14:30

    素粒子の標準模型は、素粒子の振る舞いをよく記述し、様々な実験結果を非常によく説明できます。標準模型で唯一未確認だったヒッグス粒子も2012年に発見され、標準模型は完成したと言えます。しかし、宇宙に存在する暗黒物質や、宇宙から反物質が無くなってしまった謎など、標準模型で説明できないことも多く存在します。講座では、標準模型とその問題点を概観した後、現在行われている、標準模型を超える新物理を探索する素粒子実験について解説します。また、暗黒物質などの宇宙の謎について、素粒子物理からの研究の展望を述べます。(講師・記) <各回テーマ> 1) 素粒子の標準模型 2) 新物理の探索実験 3) 素粒子と宇宙

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    元素の起源と進化する宇宙 2024 

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    • 小汐 由介/岡山大学准教授
    • 西村 信哉ほか/東京大学原子核科学研究センター特任研究員
    • 2024/10/26〜
      10:30〜12:00

     「元素/原子核」をキーワードに、天文学・宇宙物理学・原子核物理学・地球惑星科学など異なる分野の研究者に、最新の宇宙像について解説してもらいます。彼らには今、どんな世界が見えているのでしょうか? 講座を通して、「宇宙核物理」の地平を刮目してください。 ※写真は、底部から魚眼レンズで撮影したカミオカンデ検出器©東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設 【各回の内容・講師記】 @10月26日 地下1000mから宇宙を見る 〜スーパーカミオカンデ超新星爆発研究の最前線          /小汐由介・岡山大学准教授  重い星の一生の最後に起こす超新星爆発は、宇宙で起こる最も劇的な現象の一つである。その際に放出されるエネルギーの99%以上を担うニュートリノの観測は、超新星爆発現象の解明には極めて重要である。しかしニュートリノはその検出が極めて難しく、これまでに超新星爆発起源のニュートリノが観測されたのは1987年に大マゼラン星雲で起こった1度しかない。本講座では、世界最高精度を誇るニュートリノ観測装置スーパーカミオカンデにおける最新の研究成果と今後の展望について語ります。    A11月23日  うちゅう、多様性。元素の起源と高エネルギー天体           /西村信哉・東京大学原子核科学研究センター特任研究員  我々の身の回りは様々な物質で溢れていますが、すれらはすべて「元素」でできています。地球上のすべての元素は、宇宙に起源を遡ることができます。元素の生成は、星の進化やその最期に関係しますが、星にも個性がありその運命も多様です。本講演では、天体の爆発現象を中心に、切っても切り離せない関係にある元素合成について、基礎から最先端まで、なるべく予備知識なしで理解できるように解説します。天体における元素合成に魅力的な世界をご紹介できたらと思います。 B12月21日  同位体で紐解く太陽系の起源と進化/寺田健太郎・大阪大学大学院教授  同位体とは、原子番号が同じで中性子数が異なる核種のことです。隕石中の鉱物の同位体を調べることで、太陽系の誕生前に存在した恒星の情報や、太陽系誕生後の物質の起源、隕石母天体で起こった出来事の”時刻”などの情報を得ることができます。講演では、これらの原理を紹介するとともに、最新の太陽系像について解説します。 C 1月25日  元素とエネルギーの源の解明から探る地球・太陽系と人類の未来          /久保野茂・東京大学名誉教授  私たちを取り巻く地球、太陽、宇宙のエネルギーの源は、元をただせば主に重力と原子核反応によるものである。原子核反応は、宇宙の進化を駆動する重要な要因であり、同時に新しい元素を生成し、莫大なエネルギーも生成する。石油や石炭などの化石エネルギーや核分裂エネルギーに頼らず、自然エネルギーへの転換が今日叫ばれているが、これらのエネルギーはとりもなおさず元をただせば、原子核のエネルギーである。宇宙の進化と元素の起源を研究する宇宙核物理学の研究の現場から、エネルギー生成のメカニズムと新しいエネルギー源の開拓の可能性をお話しする。  ◆こちらは「元素の起源と進化する宇宙2024」シリーズ全4回通してお申し込みされる方のページです。 ◆各回ごとのお申し込みも可能です。それぞれのページをご覧ください。 [@「地下1000mから宇宙を見る 〜スーパーカミオカンデ超新星爆発研究の最前線」小汐由介講師はこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7401425) [A11/23「うちゅう、多様性。元素の起源と高エネルギー天体」西村信哉講師はこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7401426) [B12/21「同位体で紐解く太陽系の起源と進化」寺田健太郎講師はこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7401427) [C1/25「元素とエネルギーの源の解明から探る地球・太陽系と人類の未来」久保野茂講師はこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7401428)

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    ヒッグス粒子でひも解く宇宙の謎

    • NEW
    • 科学
    • 教室・オンライン自由講座
    • 見逃し配信あり
    • 馬渡 健太郎/岩手大学教授
    • 2024/11/30
      10:30〜14:30

     今年2024年はヒッグス粒子にとって節目の年です。1964年、今から60年前、ピーター・ヒッグス氏は当時大きな謎であった「素粒子に質量を与えるメカニズム」を提唱、そしてそれに伴う新粒子の存在を予言しました。その後約半世紀を経てヨーロッパの大型陽子衝突加速器LHC実験でその新粒子「ヒッグス粒子」が発見され、2013年ヒッグス氏にノーベル物理学賞が授与されました。  ヒッグス粒子はこの宇宙を形成する過程で非常に重要な役割を担った素粒子です。私自身は発見された新粒子が本当にヒッグス氏が予言した粒子なのかに焦点を当てて研究を続けており、本講座ではその一部を紹介しながら、宇宙の謎をひも解く鍵を握るヒッグス粒子に迫ります。(講師・記) ※途中1時間の休憩含む

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    じっくり学ぶ現代物理学の基礎

    • 科学
    • 教室開催
    • 松浦 壮/慶応義塾大学教授
    • 2024/10/20〜
      13:00〜16:15

     「ものは何からできているのだろう?」この素朴な疑問に対する現代物理学の答えが【量子場】です。このアイディアに到達したおかげで、我々人類は、素粒子の性質や物質のミクロな特性、更には、宇宙が生まれた直後に起きた出来事にまで理解が及ぶようになりました。  「じっくり学ぶ」のシリーズでは、この魅力的な理論を理解するために、必要となる物理や数学を、板書を使ってゆっくりと、順を追って積み上げてきました。ここまでの講義を通じて、場の量子論を展開するために必要な「量子場」と、その原理的な取り扱い方についての説明を終え、最終章に向けた準備に一区切りがついたところです。  次の段階では、いよいよ、これまで整えてきた道具である「量子場」を、現実的な素粒子の挙動を理解するために使っていきます。現段階での到達点である「素粒子標準模型」を目標に据えて、一歩ずつ説明していきます。 (講師・記) 〈今期のテーマ〉番号はシリーズ通し番号です。 第4回 (「量子電磁力学のファインマン図と有効作用」 10月 ※[10月のみのお申込みはこちら→](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7489555) 第5回  未定 ※質問や議論を交え、受講者の理解度に合わせて進むペースを調整しますので、予定していた内容まで進まないこともあります。予めご了承下さい。 〈ご参考〉シリーズ全体のロードマップです。現時点の状況確認にご活用ください。 1. 量子電磁気学とU(1)ゲージ対称性 2. Faddeev-Popovの方法によるゲージ固定 3. ファインマン・ダイアグラムの導入とその意味 4. ファインマン・ダイアグラムの対称因子 (←2024年9月現在ここまで終了) 5. 場の量子論における有効作用と物理量 6. QEDのファインマン・ダイアグラムと現実の物理量 7. 非可換ゲージ理論と量子色力学 8. 電弱統一理論とヒッグス機構によるゲージ対称性の破れ 9. 素粒子標準模型 ■教室のみの開催です。オンライン配信はございませんが、終了後「朝カルアーカイブ」にてオンデマンド配信を順次行っております。前回までの講座の続きになりますが、4月から新章に入るため、初めてご受講いただく方も歓迎します。

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    時空は超えられるか 

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    • 科学
    • 教室・オンライン自由講座
    • 見逃し配信あり
    • 松原 隆彦/KEK高エネルギー加速器研究機構教授
    • 2024/11/09〜
      10:30〜12:00

    時間や空間を超えて広大な宇宙を旅してみたいと思いませんか? もし私たちが究極の技術を手に入れたら、どこまで時空旅行が可能なのか、それはどういうものなのか、科学的な根拠に基づきながら考察し、仮想的な宇宙旅行を類似体験します。講師の著書「私たちは時空を超えられるか」の内容を元にわかりやすく説明します。(講師・記) 画像クレジット ©NASA <各回テーマ 予定> 第1回:時間の旅その1(未来編) 未来へ行くためにはどういう物理の法則を使えば可能なのかを考察します。また、空想を交えてその旅行がどういうものかを想像します。 第2回:時間の旅その2(過去編) 過去へ行くためにはどういう物理の法則を使えば可能なのかを考察します。また、過去へ戻ると矛盾が起きますが、それについてどのような解決の可能性があるかを想像します。 第3回:空間の旅その1(系内編) 相対性理論によると、光の速さで人間の寿命をはるかに超える時間がかかる場所へも行くことができます。それによる銀河系内の旅行を想像します。 第4回:空間の旅その2(系外編) 銀河系を飛び出して宇宙の果てへ向かう旅行を想像します。宇宙の果てはどうなっているのでしょうか。

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  • 新宿 オンライン
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    「時間」はなぜ存在するのか

    • 科学
    • オンライン開催
    • 見逃し配信あり
    • 吉田 伸夫/サイエンスライター
    • 2024/10/18〜
      19:00〜20:30

     20世紀初頭、アインシュタインは、あらゆる場所に別々の時間が存在するという一般相対論を提唱しましたが、近年、宇宙全体に関わる観測データが集まったことで、相対論に基づく宇宙論が急速に進展しています。時間の流れを生むきっかけがビッグバンの特殊性にあること、エントロピー増大則に反するかのような生物進化が可能な理由など、世界の根幹に関わる謎が次々と解き明かされつつあります。また、SFのガジェットにすぎなかったタイムマシンやパラレルワールドについても、科学者たちが真剣に議論しています。この講座では、現代科学が明らかにした時間の正体について、6月刊行の拙著『「時間」はなぜ存在するのか』を元に、SFを引用しながら文系の人も楽しめるような解説を心がけます。(講師:記) 【今期の予定】 第3回:いきものの時間、人間の時間(生物はどんな時間を生きるのか) 第4回:時間の終わり、そして…(SF的想像力による時間像の拡張) 【全体の予定】 第1回:「流れる時間」という錯覚の起源(エントロピー増大の法則) 第2回:循環する時間、分岐する時間(タイムマシンとパラレルワールド) 第3回:いきものの時間、人間の時間(生物はどんな時間を生きるのか) 第4回:時間の終わり、そして…(SF的想像力による時間像の拡張) 【質疑応答】 毎回、講義の終わり10〜15分程度、質疑応答の時間を設けます。 時間の都合上すべてのご質問にはお答えできない可能性もございます。予めご了承ください。 【参考図書】 [『「時間」はなぜ存在するのか 最新科学から迫る宇宙・時空の謎』](https://www.sbcr.jp/product/4815622169/)SB新書、 2024年6月刊、吉田伸夫 (著)

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  • 新宿 オンライン
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    光の性質から捉える宇宙の観測

    • NEW
    • 科学
    • オンライン開催
    • 見逃し配信あり
    • 松尾 太郎/宇宙生物学者
    • 2024/10/19〜
      10:30〜12:00

    光とは何でしょうか?光は粒子として振る舞うこともあれば、波のように振る舞うこともあります。粒子と波の両方の性質を併せ持つ、光の二重性の理解とともに宇宙の観測は大きく飛躍しました。天体から発せられる光(電磁波)を工夫して観測することで、光の粒子あるいは波の性質を捉えることができるようになります。この性質を活かすことで、ブラックホールを撮影した地球規模の巨大な望遠鏡Event Horizon Telescope(EHT)や、昨年打ち上げに成功したJAXAのX線衛星XRISMのような一粒子ごとの光のエネルギーを測定できる望遠鏡が誕生しました。第一回の講演では、光の性質がどのように明らかにされてきたのか、また宇宙の観測で光の粒子や波の性質がどのように捉えられてきたのかをお話します。第二回の講義では、この光の性質を利用して、EHTやXRISMのような究極的な望遠鏡がどのように作られたのかを紹介します。(講師・記) <各回テーマ> 第1回: 宇宙の観測を通して見えてきた光の性質 第2回: 究極的な宇宙の観測を目指して  

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※日時等は変更となる場合がございます。最新の情報は講座詳細ページにてご確認ください。