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「戦後80年」に、井上ひさしを読む
シリーズ「昭和100年、戦後80年」
- 小森 陽一/東京大学名誉教授
- 成田 龍一/日本女子大学名誉教授
- 2025/07/25金 〜 2025/12/26金
- 15:30〜17:00
- 全6回
- 会員 25,410円 / 一般 32,010円
「戦後80年」ということが言われます。「戦後」をどのように考え、記憶していくのか。そのことを、井上ひさし(1934−2010)の作品を手がかりに考えてみたいと思います。ご存知のように、井上ひさしは放送作家として出発し「ひょっこりひょうたん島」(1964−69)をはじめとして、いまだに語り継がれる作品を送り出しました。その後、小説、戯曲を書き、エッセイなど幅広いジャンルで活動し、『吉里吉里人』(1981)などのベストセラーを生みだします。井上作品は、小説でも戯曲でも一貫して生活する人びとへの温かいまなざしとともに、国家と社会のあり方への批判的な視点が脈打っています。とくに戦争の悲惨さは繰り返し語っています。 このことは、井上ひさしが歴史の証言者であることも意味します。敗戦時に10歳であったひさしは、その後「占領」の時代を経て、高度経済成長の時代から「経済大国」の日本に直面し、さらに冷戦体制崩壊――「戦後」の終焉にも立ち会います。その時々の「戦後」の出来事に真正面から向き合い、出来事のもつ意味を、小説・戯曲・エッセイとして読者に提供してきました。 井上ひさしは「戦後」と伴走しながら、研ぎ澄ませたことばで「戦後」を作品化してきました。井上が「民主主義」といったとき、干からびかけていた「民主主義」が生き生きとし、「日本国憲法」はその宝庫となっていきます。「戦後80年」を考えるとき、井上ひさしの作品は、このうえない知見を提供してくれます。「小説」「戯曲」「エッセイ」から代表的な作品を選んで、考えてみたいと思います。「文学研究者」と「歴史家」との対話の形式をとります。 (成田講師・記) ・2025年1月開講。1年間かけて井上ひさし作品を取り上げます。 ・各回でもお申込みいただけますが、連続して受講される方が理解しやすいです。 ・途中からの受講も歓迎いたします。 <全12回のカリキュラム> ※予定は変更になる場合がございます。 ■2025年7月期 (今期) 第七回 戯曲のなかの「戦後」――『東京裁判三部作 夢の裂け目』(小学館)を読む [【第7回のみ】の申し込みはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7999328&p=83e72896717da828f66f8adb7d44921059402bd58c085381b359511cbcbcdba9) 第八回 戯曲のなかの「戦時」と「戦後」――『太鼓たたいて笛吹いて』(新潮文庫、キンドル版)を読む [【第8回のみ】の申し込みはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7999329&p=85731fcc46ef760317eab8b36df8839c1a0960520a6f3dc1501c98c41c002d69) 第九回 井上ひさしの芝居とは、どのような芝居であろうか――昭和庶民伝三部作――『きらめく星座』『闇に咲く花』『雪やこんこん』を中心に [【第9回のみ】の申し込みはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7999330&p=dd67efef44d0224ad57a21bdf315aba66ce95a8eef3c44e9bd3f97fdf678ec29) 第十回 エッセイのなかの「戦後」T――『井上ひさし ベストエッセイ』(ちくま文庫)を読む [【第10回のみ】の申し込みはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8409073) 第十一回 エッセイのなかの「戦後」U――『井上ひさしの憲法指南』(岩波現代文庫)を読む [【第11回のみ】の申し込みはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8409074) 第十二回 井上ひさしの思想と活動を、あらためて「戦後史」のなかで考える [【第12回のみ】の申し込みはこちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8409075) ■2025年1月期 (終了) 第一回 導入T――『下駄のうえの卵』(新潮文庫)を読む (終了) 第二回 導入U――『父と暮らせば』(新潮文庫)を読む (終了) 第三回 井上ひさしの作品から、「戦後80年」を考える (終了) 第四回 小説のなかの「戦後」――『四十一番の少年』(文春文庫)を読む 第五回 小説のなかの「戦時」と「戦後」――『一週間』(新潮文庫)を読む 第六回 井上ひさしの小説とは、どのような小説であろうか――『吉里吉里人』を中心に
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『枕草子』その魅力のすべて
- 津島 知明/国学院大学講師
- 2025/10/01水 〜 2025/12/03水
- 11:00〜12:30
- 全3回
- 会員 11,385円
『枕草子』の魅力のすべてを解き明かしていきます。 作者が敬愛してやまなかった中宮定子が亡くなり、ライバルだった彰子が后として時めいていた時期に、『枕草子』の最終稿はまとめられました。作中には定子との美しい思い出が綴られていますが、それを単なる自慢話と受け取ってしまうと、清少納言の真意を見誤ることになるでしょう。彼女が心血を注いだのは、道長全盛の世にも作品が人々に受け入れられるように、深謀遠慮を尽くすことだったと思われます。 本講座では、講師の長年の研究成果をもとに、全編を丁寧に読み解いていきます。またせっかくの機会なので、活字で読むだけでなく、筆で書写された伝本にも触れてもらうつもりです。(講師・記) ※今期は、「26段あたり」から。
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「万葉集」全講
- 鉄野 昌弘/東京大学名誉教授
- 2025/10/03金 〜 2025/12/19金
- 13:00〜15:00
- 全6回
- 会員 22,770円
万葉集は、やまとの国が「日本」という国家になってゆく時期の和歌を集めた、最古の歌集です。和歌は、まさに「日本」の文化として創造された詩でした。万葉集にはその百数十年間の様々な出来事と、それに関わって生きた様々な人々の姿が刻み込まれています。この講座では、巻一から巻二十まで、すべての歌を読みながら、和歌の歴史、和歌による歴史をたどります。歌の本文、訓み、ことばの原義、社会背景、地理など、歌の解釈に必要なあらゆることを取り上げながら、読んでゆきたいと思います。(講師・記) ※今期は巻一を講読予定です。 ※途中数分間休憩時間がございます。
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五感で読み解く「源氏物語」
- 三田村 雅子/フェリス女学院大学名誉教授
- 2025/10/03金 〜 2025/12/05金
- 15:30〜17:00
- 全3回
- 会員 11,385円
須磨・明石から帰った光源氏は新たな実力者として冷泉帝の宮廷に君臨します。政治的な勢力争いを女御同士の絵巻争いのかたちで展開する絵合の巻から、明石で生まれた明石姫君を生母明石御方から離し、紫上のもとに引き取る薄雲巻、藤壺の崩御から朝顔の女君への迷いを描く朝顔巻と、物語の屈折点を読みこみます。お伽話のようだった源氏物語が社会の荒波をかぶって、次第にしたたかな物語に変質していく過程をお楽しみください。 物語の類型や歴史的背景に注意をはらって解説します。絵画資料や本文朗読も理解の助けになるでしょう。(講師・記) ※2025年10月期は「若菜」なかほどあたりから読みます。 ※2019年4月に開講しました。
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「源氏物語」を読む
- 高田 祐彦/青山学院大学教授
- 2025/10/04土 〜 2025/12/20土
- 10:00〜12:00
- 全5回
- 会員 18,975円
『源氏物語』を原文で全巻通読します。『源氏物語』は、現代語訳、ドラマ、映画、マンガなど、さまざまな形で普及していますが、原文でしか味わうことのできない、広く深い世界があります。日本文学を代表する古典が誇るスケールの大きさと、きめこまやかな表現の魅力をぜひご一緒に堪能しましょう。また、『源氏物語』の精読をとおして、さまざまな古典文学や歴史にもふれることで、広く日本の古典の世界を知ることもできるようにします。講義の進め方は、本文を読み上げ、一通りの現代語訳を施したうえで、注意すべき表現を解説する、という形をとり、学界の最先端の研究なども織り交ぜてゆきます。 (講師・記/2013年4月開講。) ★今期は「夕霧」の途中からです。
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三島由紀夫と高度経済成長
昭和100年・三島100歳B
- 井上 隆史/白百合女子大学教授
- 2025/10/04土 〜 2025/12/20土
- 15:30〜17:00
- 全3回
- 会員 11,385円 / 一般 14,685円
「金閣寺」、「憂国」、「豊饒の海」など中後期の三島作品は、すべて高度経済成長期に書かれたものです。しかし、三島は昭和元禄とも呼ばれたこの時期を、全否定することによって生涯の幕を閉じました。屈折したこの関係を示すために、「高度経済成長」の文字に✖印を付けて、講座名としました。(講師・記)
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はじめての「源氏物語」レッスン
- 今井 上/専修大学教授
- 2025/10/08水 〜 2025/12/24水
- 10:30〜12:00
- 全6回
- 会員 22,770円 / 一般 29,370円
『源氏物語』全54帖を、おおよそ一回に1巻〜2巻のペースで取りあげ、解説してゆく講座です。毎回の講義では、それぞれの巻のあらすじや人物関係・鑑賞のポイントなどを説明し、その巻の有名な場面を精選して、鑑賞してゆきます。基礎から説明する、とにかくわかりやすくてたのしい、しかし本格的な講座ですから、『源氏物語』についていろいろと学んだことがある方はもちろん、原文の読解に自信がない方、源氏物語に興味はあるけれども詳しく学んだことがない方にも、ぴったりです。 予定では全50回(約二年間)の講義で、源氏物語の全体像や、エッセンスを理解していただくことを目指しますので、初心者の方、もう一度『源氏物語』の大切なポイントをしっかりと学びたい方など、幅広い方々にたのしくご参加いただけます。(講師・記)※2024年2月開講 <10月期の予定>10/6改定 @10月 8日 柏木巻 A10月22日 横笛巻 B11月12日 鈴虫巻 C11月26日 夕霧巻 D12月10日 御法巻 E12月24日 幻巻 ※初回10月8日に1日体験教室を併設します。(要予約・有料)。 [今井講師が講座の魅力を語る「朝カルTimes」はこちらから](https://www.asahiculture.com/asahiculture/wp/page/article/times001_240618_shinjuku/)
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万葉集を柿本人麻呂歌集から読む
ことばの芸としてのやまと歌
- 品田 悦一/東京大学名誉教授
- 2025/10/08水 〜 2025/12/10水
- 13:30〜15:00
- 全3回
- 会員 11,385円 / 一般 14,685円
『万葉集』には「柿本朝臣人麻呂作歌(ヽヽ)」として載せる約80首とは別に、「柿本朝臣人麻呂歌集(ヽヽ)出」などと注記される歌が約340〜60首、各巻に散在しています。人麻呂の編集した歌集が『万葉集』の編纂材料の一つとされたのであり、それらは文字で書かれた最初のやまと歌でした。今から二十年くらい前の有力な考え方では、人麻呂歌集には集団に共有されていた歌から個の抒情が立ち上がっていく過程が見て取れる、とされていました。 この講座では、集団から個へという伝統的図式を離れ、やまと歌はことばの芸として発足したのだとの見地から読解を進めていきます。さまざまな場面を想像し、登場人物の心を代弁してみせること――それは集団の願望でもなければ、個人の体験の表白でもありません。寸劇の台詞のようにして恋の百態を詠み分けてみせることこそが、歌人人麻呂の芸の見せ所だったのです。 一回あたり「正述心緒」から4首、「寄物陳思」から8首、計12首を読んでいく予定です。(講師記・2025年4月開講) @10月 8日 2386〜89、2451〜58 A11月12日 2390〜93、2459〜66 B12月10日 2394〜97、2467〜74 ※進捗により変更になる場合がございます。ご了承ください。 ※初回10月8日に1日体験教室を併設します。(要予約・有料)。
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「平家物語」を読む
―平家断絶―
- 佐伯 真一/青山学院大学名誉教授
- 2025/10/09木 〜 2025/12/25木
- 10:30〜12:00
- 全6回
- 会員 22,770円
『平家物語』の主な章段を原文で読み、解説します。栄華を誇った平家の滅亡を描く『平家物語』は、多様な魅力を持った作品です。その本文を読みながら、背景となっている歴史的事実についてわかりやすく解説すると共に、琵琶法師による語り物としての側面や、後代の文学・芸能・美術などへの展開についても紹介してゆきたいと思います。『平家物語』十二巻を、全部で4年かけて読んでいます。今期は巻十一から巻十二を読みます。壇ノ浦合戦で敗れた平家の宗盛や重衡は斬られ、義経も都を落ち、物語の終結が近づきます。(講師・記) 第1回 子を思う父 巻十一「大臣殿被斬」 第2回 逆罪と救済 巻十二「重衡被斬」 第3回 時忠能登配流 巻十二「平大納言被流」 第4回 堀川夜討 巻十二「土佐房被斬」 第5回 義経の行方 巻十二「判官都落」 第6回 六代の捕縛と救助 巻十二「六代」 ◆どの回からでも途中受講のお申し込みが可能です。 〈テキスト〉 毎回、本文資料と参考資料を配付します。
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室町期の古注釈書と読む『源氏物語』帚木巻
- 松本 大/関西大学教授
- 2025/10/10金 〜 2025/12/12金
- 10:30〜12:00
- 全3回
- 会員 10,890円 / 一般 12,540円
『源氏物語』の解釈は、各時代で様々になされてきました。とりわけ、室町時代は、物語に対する注釈が大きく発展した時期と言えます。様々な角度から物語内容への検討が加えられ、多様な注釈書が作成されていきました。 そうした室町期に作成された古注釈書の中には、現代の解釈の基盤となるような部分も含まれてはいますが、一方で、現代の我々とは大きく異なる視点で、全く別の解釈や捉え方をする箇所もまま見られます。これらは、現代の解釈においては切り捨てられてしまった部分と言えますが、実は、興味深く面白い視点がいくつも存在します。なかでも、帚木巻は、古注釈書にとって大きな意味を持つ、重要な巻でした。 そこで本講座では、帚木巻の特徴的なの場面を扱い、いくつかの古注釈書の指摘を踏まえながら、室町時代の人々が捉えていた『源氏物語』の作品世界に迫っていきたいと思います。それぞれの古注釈書の性格を押さえ、その注釈内容を丁寧に読み解きながら、室町時代の人々の息づかいを掴んでみましょう。普段触れることの少ない『源氏物語』古注釈書の世界に触れ、新たな『源氏物語』の魅力に気付いていただこうと思います。 ■10月期スケジュール 第4回 冒頭の解釈と雨夜の品定め 第5回 比定される女君たち 第6回 女性論のまとめ ■全体カリキュラム 第1回 室町期の古注釈書の概観 第2回 「帚木」とは何か 第3回 序分としての捉え方 第4回 冒頭の解釈と雨夜の品定め 第5回 比定される女君たち 第6回 女性論のまとめ
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「おくのほそ道」をよむ
- 長谷川 櫂/俳人
- 2025/10/11土 〜 2026/03/07土
- 15:30〜17:00
- 全6回
- 会員 22,770円
2017年からつづけてきた講座「「おくのほそ道」をよむ」は2025年3月で4巡目が終了、4月から5巡目に入ります。テキストは2025年5月刊行の『「おくのほそ道」を読む 決定版』(ちくま文庫)を使用します。新テキストは、 1)「ほぼ原文の現代語訳」掲載。 2)俳句はすべて3行詩に。 3)「曾良随行日記」「芭蕉年譜」を併載。 このテキストによってこの講座は7年ぶりに一新します。受講者のみなさんによる朗読はこれまで同様。すでに受講した方の参加も歓迎です。(講師・記) ※初回10月11日に1日体験教室を併設します。(要予約・有料)。 ・【日程変更】3/14休講→3/7補講になります。(9/29)
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『源氏物語』玉鬘十帖・螢巻を読む
- 藤原 克己/東京大学名誉教授
- 2025/10/11土 〜 2025/12/13土
- 13:00〜15:00
- 全3回
- 会員 11,385円
今期は螢巻の有名な物語論とその前後を読みます。光源氏は玉鬘に語ります。「虚構の物語にこそ、人の心と人の世の真実は詳しく描かれていて、生きてゆく上での参考にもなるのです。それに比べたら日本紀(官撰の国史)など片々たる事実の寄せ集めにすぎません」と。――この講座は月1回で進度はゆっくりですが、そのつど物語全体を見渡しながら精読するという読み方をしています。また毎回初めに前回までの物語の流れを簡単にふりかえりながら読み進めて行きますので、随時入会可能です。(講師・記)
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「新古今和歌集」三十講
全講読をめざして
- 中川 博夫/鶴見大学名誉教授
- 2025/10/13月 〜 2025/12/22月
- 10:30〜12:00
- 全6回
- 会員 22,770円
★日程変更 10/27休講⇒10/20補講(8/25記) 詩が言語の精髄であれば、やまとことばの精髄が和歌です。主上から臣下・女房・僧侶に到るまで、四季の移ろい、恋の悩み、老いの歎きを和歌の詞に託し、和歌を通して心を見つめてきました。その集成である勅撰和歌集は、先人の遺産などではなく、現在に生きる私たちの心の糧、言葉の資源、文化の底荷です。その最高峰と言ってよい『新古今和歌集』を読みます。それは、日本人の情調の濃やかさと言葉の鋭敏さ、それらに支えられた文化の豊かさを実感することに他なりません。本講座では、『新古今和歌集』の歌を、1回につき7首程度のペースで講読します。一首一首を丁寧に読み込みながら、歌の並び方(配列)の妙味も味わい、他の作品との関わりや各歌人の人物像やエピソードなどにも触れたいと思います。毎期6回を5期続けて30回を一つの区切りとしますが、全1978首の読破を目指します。(講師・記) 【カリキュラム】 第1回 10/13 暁の涙や空にたぐふらむ―恋歌四(1330〜1335) 第2回 10/20 身にしむ色の秋風ぞ吹く―恋歌五(1336〜1343) 第3回 11/10 見し夜の夢を誰が定めむ―同上(1344〜1350) 第4回 11/24 枕のみ浮くと思ひし涙川―同上(1351〜1357) 第5回 12/8 衣片敷き恋ひつつぞ寝る―同上(1358〜1365) 第6回 12/22 昼は来て夜は別るる山鳥の―同上(1366〜1373) ★「新古今和歌集」(岩波文庫)もしくはお手持ちのものを各自ご用意ください。 本文と資料はご用意しますので、無くても結構です。 ◆どの回からでも途中受講のお申し込みが可能です。
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「源氏物語」の女君たち
- 田坂 憲二/元慶応義塾大学教授
- 2025/10/14火 〜 2025/12/09火
- 10:30〜12:00
- 全3回
- 会員 11,385円 / 一般 14,685円
『源氏物語』は光源氏の人生を中核に据え、その周囲の人々の様々な人生を併せて描いた作品で、一種の群像劇でもあります。登場人物の一人一人には、祖父母がいて、父母がいて、兄弟や子どもがいればそれらの人々の人生をも含めてと、作者の視線は広がっていきます。さらに一つの人生が、他の人物と交差して、物語は一層深まっていきます。『源氏物語』を読むことは、登場人物の人生を読むこと、と言い換えても良いでしょう。この講座では、物語に登場する女性たちの様々な人生を追ってみます。 資料は講師の方で準備しますので、教室もしくは画面の前に直接お越し下さい。『源氏物語』の醍醐味である人間ドラマを楽しみましょう。(講師・記)*2025年4月開講 【カリキュラム】 10月14日(火) 右大臣の娘たち ―物語の広がり― 右大臣の娘で、弘徽殿や朧月夜の姉妹である、帥宮の北の方や、頭中将の北の方などを取り上げます。馴染みが少ないかもしれませんが、物語の広がりに欠かせない重要な人たちです。 11月11日(火) 夕顔 ―波乱の人生― 夕顔はどうして五条の陋屋にいたのでしょうか、流離する女君の謎の前半生を復元します。上達部である三位中将の娘に生まれながら某の院で急死するまでの波乱の人生を追います。 12月9日(火) 六条御息所 ―哀しみの人生― 大臣の娘、前坊妃として華やかな人生を歩み始めながら、夫との死別、光源氏との関係の悪化、そして娘の斎宮とともに遙か伊勢に下向してゆく、哀しみの人生に寄り添ってみます。 26年1月以降は以下の人物を予定しています。 1月 末摘花 2月 朝顔斎院 3月 紫の上の前半生
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平安文化を読む
- 川村 裕子/武蔵野大学客員教授
- 2025/10/15水 〜 2025/12/17水
- 13:00〜14:30
- 全3回
- 会員 11,385円 / 一般 14,685円
今から千年前の生活。住む所も伝達手段も着ているものも違う生活。まずはその具体的な姿、平安文化の姿を見ていきます。これらの文化は、ことばを出さないけれど、人の気持ちを饒舌に語っています。このような物や事柄にひそむ影のようなものを見つめていきましょう。そして、そこに零れている平安人の心を感じ取ってあげましょうね。 <スケジュール> @10月15日 平安文化を読む――寝殿造りと文学の影―― 平安時代は住む所がまるで今と違います。このような環境は、当然住んでいる人が書いた作品にも影響を与えているのです。つまり、作品類に描かれる家具や道具たちはいろいろな意味(影)を背負っているのですね。いったいどのような思いが家具たちに込められているのでしょうか。寝殿造りをめぐりながら、平安人の心をさぐっていきましょうね。 A11月19日 平安文化を読む――手紙と日記文学―― 平安時代の伝達手段。電話もラインもメールもない時代のコミュニケーションツール。それは手紙でし た。当時は手紙が取られたり、隠されたりすることも頻繁でした。また、俊敏に返事を書かなければなりませんでした。そのような手紙の姿は特に日記文学を彩っています。日記文学のなかの手紙は、人々のどんな気持ちが込められていたのでしょうか。御一緒に平安手紙の姿を読んでいきましょうね。 B12月17日 平安文化を読む――装束のなかの思い―― 平安時代の装束は華麗です。その雅な姿をながめつつ、そこにどんな人間関係が潜んでいるのか、またどんな作品の意図が隠されているのか、探っていきましょう。平安ファッションに注目すると、作品のさまざまな面が見えてきます。彼らの華麗なファッションに込められた思いをじっくりと見ていきましょうね。
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源氏物語の女たち男たち
頭中将、明石の君、藤壺
- 井野 葉子/立教大学教授
- 2025/10/17金 〜 2025/12/19金
- 13:30〜15:00
- 全3回
- 会員 10,890円 / 一般 12,540円
『源氏物語』に登場する作中人物の一人一人は、個性豊かな輝きを放ちながら、物語の中に息づいています。およそ一講につき一人を取り上げて、印象的な場面を読みながら、その魅力を探ります。『源氏物語』の進行につれて登場してくる人物を取り上げていくので、『源氏物語』全体のあらましを知ることもできます。 今期は、源氏の親友でもありライバルでもある頭中将、父を明石に残して上京し、身分の低さから泣く泣く姫君を手離す明石の君、源氏との不義や愛執の罪を抱えて亡くなる藤壺の物語を読みます。(講師・記) @10月17日 頭中将 A11月21日 明石の君――その3 B12月19日 藤壺――その2 ※初回10月17日に1日体験教室を併設します。(要予約・有料)。
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漱石を読みなおす「明暗」
- 小森 陽一/東京大学名誉教授
- 2025/10/22水 〜 2025/12/24水
- 18:30〜20:00
- 全3回
- 会員 11,385円
『朝日新聞』に1916年5月26日から12月14日まで連載され、作者 夏目漱石の死によって未完に終った長編小説が『明暗』である。津田とお延夫婦の日常生活を通じて、二人の心理的葛藤の細部が、双方の心の動きを相互に叙述されていく。これまでの男性主人公中心の書き方とは、大きく方向転換している。津田の学生時代の友人 小林が現われることで、お延の知らなかった過去が、次第に明らかにになり、心理的緊張が高まっていく。 (講師・記) ※2025年1月期開講。1年かけて読み進めます。 <テキスト> 『明暗』夏目漱石 お手持ちのもので結構ですが、授業は岩波文庫をもとに進めます。 各自ご用意ください。当センターでは販売しておりませんので、ご了承ください。 <全12回のカリキュラム> ※予定は変更になる場合がございます。 【2025年1月期】 (終了) 第1回 1〜15章 手術の宣告 第2回 16〜31章 小林の来訪 第3回 32〜46章 手術と観劇 【2025年4月期】 (終了) 第4回 47〜62章 叔母と叔父 第5回 63〜80章 結婚の経緯 第6回 81〜97章 妹の結婚 【2025年7月期】 (終了) 第7回 98〜112章 津田の入院 第8回 113〜129章 お延とお秀 第9回 130〜147章 津田の過去 【2025年10月期】 第10回 148〜163章 小林の画策 第11回 164〜179章 温泉行き 第12回 180〜188章 物語の行方
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和歌から読む西行伝
吉野入山
- 西澤 美仁/上智大学名誉教授
- 2025/11/20木 〜 2025/12/18木
- 10:30〜12:00
- 全2回
- 会員 7,590円
10月は花鳥風月シリーズの一環として「西行和歌の月」を考えることにしたため、11月と12月の2回で、西行の「吉野入山」を西行和歌から読んでみたい。 西行にとって吉野とは何であったか、は究極の難問である。今回はそのアプローチとして、いつ、なぜ、西行が吉野に入山したのか、を考える。和歌から読む西行伝シリーズの5回までに、出家する前、在俗期に吉野山に行ったことがあること、出家の動機の一つに吉野への憧れがあったこと、初度陸奥の旅によって吉野入山は明確に決断されたことなどを想定してきたが、今回は吉野山や御嶽詣の歴史との関係を考慮しつつ、吉野山への経路、あるいは西行庵の位置、などを考察する。吉野を詠んだ西行和歌には詞書に「吉野」を語らないものが多い。花の歌の多くが吉野で詠まれ、吉野には庵も結んだはずなのに、なぜ西行は吉野に住んだことを語ったり、死地に選ぶことができなかったのか、考えてみたい。(講師・記)
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- 見逃し配信あり
- 新宿教室
- 教室・オンライン自由講座
和歌から読む西行伝 吉野入山
1日体験
- 西澤 美仁/上智大学名誉教授
- 2025/11/20木
- 10:30〜12:00
- 全1回
- 会員 3,630円 / 一般 3,630円
10月は花鳥風月シリーズの一環として「西行和歌の月」を考えることにしたため、11月と12月の2回で、西行の「吉野入山」を西行和歌から読んでみたい。 西行にとって吉野とは何であったか、は究極の難問である。今回はそのアプローチとして、いつ、なぜ、西行が吉野に入山したのか、を考える。和歌から読む西行伝シリーズの5回までに、出家する前、在俗期に吉野山に行ったことがあること、出家の動機の一つに吉野への憧れがあったこと、初度陸奥の旅によって吉野入山は明確に決断されたことなどを想定してきたが、今回は吉野山や御嶽詣の歴史との関係を考慮しつつ、吉野山への経路、あるいは西行庵の位置、などを考察する。吉野を詠んだ西行和歌には詞書に「吉野」を語らないものが多い。花の歌の多くが吉野で詠まれ、吉野には庵も結んだはずなのに、なぜ西行は吉野に住んだことを語ったり、死地に選ぶことができなかったのか、考えてみたい。(講師・記) 西澤先生の単発講座「西行和歌の月」は[こちら](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8094621)
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ミステリー小説の巨匠・横溝正史研究最前線
- 山口 直孝/二松学舎大学教授
- 2025/11/22土
- 18:00〜19:30
- 全1回
- 会員 3,795円 / 一般 4,895円
横溝正史は、江戸川乱歩と並び日本の探偵小説の歴史を切り開いてきた作家です。ストーリーテラーの才能を早くから発揮した正史は、病気や戦争の試練を受けながらも半世紀以上にわたって旺盛な執筆活動を続けました。名探偵金田一耕助が活躍するシリーズは本格探偵小説として高い完成度を誇り、映像化の機会にも恵まれることで、今もなお新しい読者を獲得しています。近年では英語に訳され、英米でも評判になっています。正史については、近年資料の発見が相次ぎ、謎に包まれていた創作過程がわかってきました。最新の研究成果を紹介しながら、「探偵小説の鬼」と称された作家の魅力に迫ります。(講師・記)
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